達人がゆえの感じ方

フェイスブックで知人がM10のサブカメラとして何が良いか迷っている。という投稿があり、他のカメラたちとともにQが候補に上がっているのを拝見した。以前から感じていたことがあったのでM型デジタルのサブとしてのQの存在を考えてみた。Qは発売以来、人気が続いていてこの高価なデジタルカメラがなぜここまで人気があるのか?考えるにQの懐の深さがあるのではないかと。

Qの購買層はウェブ等で拝見するにこのQが初めてのライカ!というビギナーユーザーが多いことに驚く。ライカすなわちM型ライカとほとんど同意かと思うが、一般人、特にカメラ初心者たちにとってライカは憧れであり、なかなか手が届かない存在であり、深い沼が広がり、悪く言えば得体の知れない世界である。そんな人たちとって高価とは言え、唯一無二のライカデザインと、単体では到底縁が無い価格のレンズが付き、優秀なAFと手振れ補正があって、近接撮影とWiFiでSNSとの親和性があればこんな魅惑的なカメラはない。感度の良い人たちとってQは初めてのライカとしてぴったりなカメラだったわけだ。

翻って我々、ライカ沼にどっぷりの人たち、ここではあえて達人と呼ぶが、そんな人たちにとってQはどんな存在になるのか?すでにMとそのレンズは売るほど持っていて、ブライトフレームを通した世界はお馴染み、ライカレンズの味も知り尽くしている人たち。そんな人たちにはとっては何と言ってもフルサイズSUMMILUX 28mm f1.7 ASPH.の存在だろう。単体で買えば80万を超えるライカレンズの中でも高額な部類のレンズとほとんど同等のレンズが、速いAFとストッパー付きのレンズを彷彿とさせるMF、そしてマクロ並みの近接撮影が出来てかつそれが35mmと50mmのクロップも可能という、このレンズに尽きるだろう。

達人にとってQである理由=レンズ。このレンズを超えるレンズが固定で付いてるカメラはこの世に存在しない。つまりこのレンズでしか撮れない世界があるということ。色々と理由を挙げたとしても、写真とは究極レンズだ。達人にとってレンズの魅力こそが選ぶべき最大の理由となる。自分もQを携えていて常に感じることは出会ったシーンを思いのままに写し撮るQのレンズの凄さ、奥深さはMで撮影している時と比べても遜色無い。クロップ時は35mmはズミクロン的、50mmはエルマー的な感覚さえ芽生える。

Qは初心者にはものすごく良く写る速いAF付きの極め付きのお洒落ライカ。達人にとってはMに取って代わっても良いくらいの写りのシンプルライカ。つまり初心者にも達人にもそれぞれのモノサシで満足できる懐の深いカメラだ。ついでに達人にしか分からないライカならではの世界、すなわちクロップ時の恍惚のブライトフレーム、35でも50でも確かにあのライカのブライトフレームで切り撮っていることを実感する瞬間。達人には応えられない。

昨日も夕暮れウォーキングを終えて夕飯を頂く直前、自宅ベランダから観るいつものお気に入りの空と雲をQで撮っている時の満足感は代えがたいものがある。Mのサブにもなる、Qだけでメインにもなる。2年を経て今なお色褪せることはない。良いカメラだ。ちなみにこのカット、昨日の夕暮れのシーンは35mmのクロップ、正確無比なフレームはM型を凌ぐほど。

 LEICA Q

LEICA Q