才能の終焉

生きていく上でこらえ切れない辛さの中、果たしてすべての人がきちんと理性を持って振舞えるのか?人は他人の立場や考え方、感じ方すべてを理解することは不可能だ。芸能人だろうが一般人だろうが「不倫」と言う括りでまとめて血祭りに上げる風潮。人生を左右したり、死に近い決断を迫る権利など誰にもないはず。

体調不良と才能の壁を前にして弱りきった小室哲哉氏を、それでも尚寄ってたかって痛めつける。文春の愚行やそれを取り上げ、ヌクヌクとしたスタジオで正義ぶって語るコメンテータたち。引退すら決めた才能に無神経な質問をぶつけるレポーターたち。いつからこの国の人々はこんな風になってしまったのか?

昨日ほど不快で悲しみに満ちた映像は見たことが無かった。なぜこんな悲しく情けない国になってしまったのか?あまりにも酷く言葉が出ない。同時にひとつの才能が終わった感がある。この私ですら彼の音楽で心が何度も癒されたことがあった。

中でも音楽座ミュージカルの「マドモアゼル・モーツァルト」での彼の音楽はきら星のごとくどれもが輝いていて素晴らしいものだった。モーツァルトの原曲を見事にミュージカルナンバーに昇華させた才能には舌を巻く。今でも名作中の名作と語り継がれるのは彼の音楽的才能に依るところが大きい。

引退はとても惜しいことだが、彼の音楽自体はこれからもずっと語り継がれ、聴かれ続け、確かに残っていく。今は心と体をゆっくりと休め、奥様との人生を全うされることを切に願う。

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

新旧タンバール

タンバールの新型と旧型、さすがにその写りを比べた方はまだほとんど居ないのでは?と思われる中、あの清家富夫氏が早速、新と旧を比べ始めた。清家富夫氏はライカ使いでよく知られた著名な写真家。特にノクチルクスやヘクトール、そしてタンバールなどのライカオールドレンズについてはとても造詣の深い方。世界広しと言えども新旧タンバールを語るに氏ほど相応しい方はいないだろう。

数年前に氏の写真展に伺った折、お会いしたことがある。物静かな紳士だったことを記憶している。タンバールの描写については新型を使い始めてまだ間もないので断定的なことは書かれていないが氏のブログ内のコメント欄でいくつか印象的な言葉を書かれている。氏曰く。

「旧タンは齢80超えですが、開放でも絞っても新タンに劣るところはないですね。コントラストのきつい部分の描写ではむしろタンバールとしては望ましい柔らかさが備わっていて、新タンにこれを求めるのは時間が必要なんでしょう。」

「タンバールは個人的に興味のあるレンズで、密かに新しいタンバールの誕生を期待していました。しかしライカは復刻版ということで、形状もレンズ構成もオリジナルに極めて近いものを出してきました。その写りもまたきわめてオリジナルに近いというのがこれまでの印象です。多分一番恩恵を受けるのはオリジナルのタンバールなのかもしれません。」

氏の印象がどのように変わっていくのか興味深い。

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

TOKYO AUTO SALON 2018

恒例の東京オートサロンの撮影で先週の12日から昨日までの3日間、早朝から終日幕張メッセに缶詰状態だった。一応、オフィシャルプレスということで撮影に入っているが、同じようなパスを首から提げてオネーサンばかり追っかけているとてもプロには見えないカメラマンも多数居るので何がオフィシャルなのか?と毎年感じている。

ただ、盛り上がり方は車関係のイベントではあのモーターショーをも上回るほどの熱気でこの1月の厳寒の中、早朝から信じられないほど多くの来場者がしかも高額のチケット代を払って押しかける様は昨今の車離れ現象など微塵も感じられない。特に土日のピーク時は新宿駅のラッシュかはたまた渋谷のスクランブル交差点並みと言っても過言ではない。とにかくすれ違うのに肩から提げた機材の心配までするイベントは滅多に無い。

前のポストでも書いたが年明けからの体調不良は嘘のように回復してハードな3日間の仕事を何とか終えられたことにホッとしている。オートサロンに携わって11年になるが唸っていた先週には今回だけはさすがに代役を探さなければアウトかもしれないと思った。改めてフリーランスの危うさを感じた今年の仕事始めだった。

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

災い転じて福となすか?

今日は11日、年明けから随分経ってしまった。もうこんな酷い年明けになるとは予想もしなかった。昨年暮れの30日から背中の痛みが始まり、PC作業過多でいつもの肩や肩甲骨の凝りからくるものと軽く考えていたが、年が明けても直らず、とうとう5日の夜は痛みでほとんど眠れない状態に。翌日行きつけのクリニックで胸部レントゲン、心電図、血液検査を行い、痛み止めのロキソニンを処方して貰い帰宅した。

その夜、痛みはさらに酷くなり、ロキソニンも全く効かず一睡も出来ないほどになった。明け方あまりにも痛みが酷いので相方どのに循環器科でかかっている総合病院の夜間外来に連れて行ってもらった。当直が整形外科の先生だったので背中や肩の凝りを伝えると胸部や背中の骨や筋肉を中心にCTを撮ったが整形外科的には問題は見当たらず、ロキソニンが効かない旨、伝えると座薬を処方して貰って帰宅した。

帰宅してすぐに座薬を使い、ようやく痛みが落ち着いた。ただ、原因は不明で座薬の対症療法しかできないまま一日を過ごしたが座薬の効果が切れるとまた酷い痛みがぶり返し、もう何をしたらよいか分からないまま痛みに耐えていた。こうなると相方殿もさすがに心臓関係を疑うようになって最寄の埼玉医大総合医療センターのERに駆け込んだ。そこで造影剤を使った胸部・腹部CTを撮り、心電図、血液検査を行ったが幸いというか心臓関係の問題はみつからなかった。

もうこうなるとどうでもいいから痛みだけでも取ってほしいことを懇願したがそこはERなので改めて整形外科を受診してくれと言われ、夜中帰宅して座薬を入れてなんとかごまかして改めてその日の朝、整形外科を受診した。そこでも整形外科的には問題は無いが一点、白血球がかなり高いことを指摘され、体の内部でなんらかの炎症が起きていると言われ、内科を受診することを進められた。そこで痛みが我慢出来ないことを伝えるとロキソニンよりも強い座薬並みの薬を処方してもらい、それで年明けから続いた痛みからやっと解放された。

翌日内科を受診し、改めて血液検査をした結果、ここでも特別問題は無く、白血球や炎症反応の数値も下がり始めているのでおそらく回復段階になっているので痛み止めを飲みながら様子を見たほうが良いとの事。今は薬が効いているのか回復に向かっているのか痛みは嘘のように無い。結局、原因は分からないまま明日から仕事が始まる。相方殿は考えようによっては年明けから人間ドックにかかったと思えばいいのでは?と。災いからのスタートだが福と変えられるのだろうか?

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.