軽井沢万平ホテル

今週の25日は自分の62回目の誕生日だった。相方殿が毎年、趣向を凝らしてくれているがモノとしてのプレゼントはもうお互い卒業ということで、今年は軽井沢の万平ホテルでランチということに。実は自宅の川越から軽井沢は意外と近く、関越を使って2時間弱の距離。常に渋滞の心配がある都内へ出かけるよりも時間的にも精神的にも近い場所だ。

万平ホテルは長い歴史を持つクラシックホテルとして軽井沢では有名なホテル。今回はランチコースではなく、お好みのアラカルトとオリジナルのカスタードプリンを堪能した。歴史が刻まれた内装は懐かしく感じられ、庭園を眺む窓際のテーブル席は居心地がとても良く、静かで充実した時間を持つことが出来た。都内のレストランも悪くないが喧騒とはかけ離れた場所での食事もまた良いものだ。

この日は生憎の雨模様だったが雨に濡れた軽井沢の樹々の緑が輝いていて美しく、レストランのガラス屋根を優しく打つ雨音もBGMのようで心地良く聞こえた。毎年、お互い歳を重ねてこうした時間を持てること。相方殿には感謝しかない。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

M10-Pの気になるところ

M10-Pが手元へ来て3週間、シャッターフィーリングに魅せられてM-Pを手放して手に入れたが概ね満足している。概ねというのはブラックペイントのM-Pは手持ちのレンズたちを考えると手放すのは惜しかったという思いがふつふつと湧き上がってきているから。自分にとってメモリアル的な存在のM9-Pは手放せなかったのでまだ手元にはあるがカメラとして9年選手!というレジェンドぶりは撮影に当たっては覚悟が必要になる。M-Pは厚みと重さ以外はカメラとしては不満は無かった。

と、今更後悔しても仕方ないがM10-P自体はいくつかの点を除けば大変満足している。些細なことだが気になる点、ブラッククローム度が半端ない。M10のブラッククロームと同じ仕様のはずだが印象としてMMに近い艶消し度に感じる。装着するレンズも合う合わないが出てくる。逆にシルバークロームは素晴らしい仕上げでどんなレンズにも相性は良いように感じる。また白黒病が再発しそうで困ったものだ。

それからWiFiの繋がり具合が今時のカメラでどうしたらこんな繋がり難くできるのか不思議で仕方ない。何回トライしてもパスワードはリセットされるし、繋がった実感が全く無い。他のM10-Pユーザーも同じような印象を受けているらしいので自分だけのことでないようだ。ファームアップで修正されることを切に願う次第。後はこれも些細なことだがストラップ取り付け部のガードが無くなった。これも手持ちのストラップが保護レザーなどは付いていないものばかりなので少々困っている。

それから・・・まだあるの?と思われるがこれはM10-Pならではの贅沢な点だ。とにかくシャッター音が静かで時には撮った感が無い時がある、特に屋外などはシャッター音が全く存在しない。ショックはあるので悪くは無いのだが慣れの問題かもしれない。屋内では何度でもシャッターを切りたくなるほど素敵なのだ。たかがシャッター音、されどシャッター音だ。よくぞここまでライカらしさを追求してきたと脱帽状態だ。最後は結局、ライカをヨイショしてるのだが。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

namie amuro Final Space

安室奈美恵さんが引退した。25年に渡って老若男女、各世代、これほど多くの人々に愛され、社会的にも影響力のあった女性アーティストは記憶に無い。まさに平成の歌姫。昨年突如引退を表明してこれもトップニュースになった。1年前に発表という異例のスタイル。スタッフや関係者たちには誠実な姿勢で幕引きをしてファンとはお別れの準備を完璧に用意した。そして愛され続けて身を引く。なんと見事な引き際だろう。

振り返ると今更ながら彼女の豊かな才能と資質、それを開花させた努力と精進。尊敬に値する。こんな自分でも彼女の曲はよく知っているし、よく聴いていた。また、たった一度きりだったが東京ドームのコンサートを観ることができたことは今では貴重な財産だ。MCは一切無しで約3時間を歌い、踊り、ステージを駆け巡る彼女のステージは圧巻だった。

先週はその安室奈美恵さんの最後のイベント「namie amuro Final Space」の会場記録写真撮影の為、沖縄~東京~大阪~福岡とタイトなスケジュールで4会場を飛び回ってきた。社会的な現象にもなっている引退とファンが何度も訪れている最後のイベントの仕事は大変光栄なこと。実際に撮影に行った各会場での圧倒される展示内容と訪れるファンの熱意と涙を目の当たりにして改めて偉大なアーティストだったと感じた。

今回のイベントはよく知られた多くの曲はもちろんファッションリーダーたるセンス抜群の膨大な衣装の数々や多くの映像、ビジュアルイメージなどひとつの時代を創ってきたクエリエイターとして引退に相応しい集大成のイベントだった。そんな彼女の引退という大きな節目にほんの少しだが関われたことは自分の人生の中でも忘れられない仕事となった。安室奈美恵さんお疲れ様でした。そして新たな人生に幸あれ。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

平和の礎

先週の10・11日、仕事で沖縄を訪れた。25年ぶりの沖縄だ。当時はまだ会社勤めで太平洋戦争に関する資料館のコンペの為、ここの資料館や周辺地域の視察が目的だった。当時は今ほど整備されておらず、荒地の中に古い資料館がポツンと建っていただけだった。

資料館は生々しい展示品や漂う空気感に何か重いものを感じ、そこに長く居ることが少々辛くなるような場所だった。最寄のひめゆりの塔と隣接する資料館を訪れ、ただそれだけで帰京した。ゆえに沖縄の記憶はこの摩文仁の記憶だけだった。今回は沖縄市や名護市も訪れ、いわゆる沖縄らしい空気を初めて感じたわけだが、ただ、ここだけはもう一度訪れたかった理由があった。

それは「平和の礎」。資料館のコンペが終わった後、この地に新たに沖縄戦で亡くなった方々で人種や国の境なくすべての人々の鎮魂の為の施設が計画され、その為のコンペが発表された。この考え方に感銘を受け、個人的にそのコンペに参加した。結果は残念ながら落選だった。その後、事ある毎に気になる施設だったがなかなか訪れる機会がなかった。

今ではどれほどの人が知っているかは分からないが摩文仁の丘が沖縄戦の中でも特に悲惨な歴史を持ち、多くの犠牲者を出した。そのほとんどが民間人で中でも女性たちは沖縄最南端のこの地に追い詰められて崖から身を投げて亡くなった方々が数知れなかった。映像も残っているので見た方も少なくないと思う。

25年ぶりのこの地は今は穏やかな空気が流れ、訪れる人々も癒されるような場所になった。あのような悲惨な過去があったことは想像すらできない。この地で無念にも亡くなった方々の魂が清められ、今は穏やかにされているならば何か肩の荷が降りた感じだ。

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LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.