2011年3月11日

あれから8年も過ぎてしまった。
2011年3月11日のことを書いた旧ブログの内容を忘れずに肝に銘じておくためにも残しておきたい。

言葉がみつからない

3月11日午後2時46分。私は届物があって銀座1丁目のビルのエレベーターに乗り込む直前だった。グラグラと揺れを感じて思わず乗ることを止めてビルの外へ出てみた。

その直後、大袈裟ではなく銀座全体が大きく揺れ、生まれて初めて身の危険を感じた。行きかう人たちからも悲鳴が聞こえ、ビル内に居た人たちも次から次へと表へ飛び出てきて銀座は騒然となった。

道路やビルがあれほど揺れるのを見たことがなかった。まるで映画のワンシーンを見るような錯覚すら覚えてしまい、自分でもどこをどのように歩いていたのかあまり記憶が無い。

最初の印象はとうとう来た!という印象だった。長く大きく揺れてこのままもっと大きな揺れになって東京が壊れるのではないか?という恐怖感。

ワンセグを起動すると震源地は遠い宮城らしい。にわかに信じられなかった。てっきり東京近辺だと思った。それほどの揺れだった。その後も余震による大きな揺れは治まらず、正直生きた心地がしなかった。

その日は夕方に幕張で撮影があり、なぜか行かなければと思い、全面閉鎖された首都高や高速は使わず一般道で幕張へ向かった。

その後、続々と入ってくる情報でこれは本当に大変なことが起きた。と。撮影どころかこれから通過する浦安や目的地の幕張もどうなっているか分からないのでは?と感じて関係者へ連絡を試みたが繋がるのはツイッターのみ。

どうするか迷いながら運転をしていると奇跡的に担当者から連絡が入り、イベントも撮影も中止に決まった。その頃になると自分自身も少し落ち着いてきたのでどう対処するかを模索しながらとりあえず自宅へ帰ることにした。

大渋滞が予測される一般道しか道は無かったし、いつ着くかも分からなかったが刻々と入ってくるテレビの映像とツイッター情報でどういうことが起きているのかが把握でき、比較的落ち着いた気持で自宅へ向かうことができた。

結局、60キロの距離を約7時間かけて帰宅した。帰宅して改めてテレビで見た被災地の映像は信じられなかった。現実にこんな恐ろしいことが起きてしまうのか?という気持と次々に来る余震でその日は眠れなかった。

これを書いている今でも小さくとも余震は続き、いつも揺れている感覚から抜け出せない。落ち着いた精神状態が保てない。だがしっかりと日常を取り戻さなければと思う。

正直、被災地の方々への言葉は見つからない。自分自身これほど恐怖感とショックを受けたことも記憶にない。今は一人でも多くの人々が無事であることをただ祈るのみだ。

ワンデーリモデル

自宅マンションは築30年近い、その為、ここ数年で色々な場所のリフォームを行ってきた。部屋全体の壁・天井、バスルーム、キッチン、そして今回、トイレのリフォームを行った。普段は仕事として内装全般を撮影している。その中にはトイレメーカーのショールームなどの撮影も多い。TOTO、INAX(今はLIXIL)はひととおり撮影したことがある。ただ、あくまで仕事の撮影で他人事だった。

しかし今回、初めて顧客の立場で検討してみるとトイレのリフォームとはなかなか難しい工事だと実感した。特に古いマンションではトイレ自体の広さや古い水廻りなどハードルも高く、初めは予算も控えめで便器もそこそこのもので良いと考えていたが、自分も相方殿も元々はインテリアデザインの世界の人間、いざリフォームをやるとなったら妥協できなくなった。

実際にTOTOやLIXILのショールームを訪ね、実物を見て細かいところを確認しながら最終的にはTOTOのネオレストワンデーリモデルという便器+手洗い付きのものに決定した。内装デザインは相方殿に任せた。実際に経験してみるとショールームを訪ねることも夜な夜なふたりで試行錯誤することも楽しいものだった。最終的なデザインは一面だけイエローの壁面、カラフルな石片を散りばめたポップなデザインの床、奥の壁面の間接照明などかなり凝ってしまった。

また、相方殿のたっての希望で自分の写真も控えめながら飾ってみた。シンプルなトーンの内装なのでタンバールとヘクトールのモノクロームの拙作にした。今回のリフォーム、今までは撮影者の視点ばかりだったがショールームを訪れる来場者の気持ちもよく分かり、貴重な体験となった。

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LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH. 便器の配管等、仕事柄、美しくレタッチさせて頂いている。にしてもこの銘レンズでトイレを撮るのは贅沢の極み?(笑)

LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.
便器の配管等、仕事柄、美しくレタッチさせて頂いている。にしてもこの銘レンズでトイレを撮るのは贅沢の極み?(笑)

RIKA KIHIRA

フィギュアスケートの紀平梨花さん。今自分が一番熱い視線を注いでいる選手だ。フィギュアスケートには以前からご縁があって2年前までは毎年年末に仕事で全国のスケート会場に足を運んでいた。そこで幸運にも浅田真央ちゃんや安藤美矩さん、高橋大輔君、織田信成君、レジェンドになる前の羽生結弦君などの滑りを目の当たりにしてきた。

一昨年の暮にその仕事を終えてフィギュアスケートを会場で生で観ることはなくなってしまった。ちょうどそのタイミングで彗星のように現れたのが紀平梨花さん。浅田真央ちゃんに憧れ、トリプルアクセルを武器に昨年から国際大会5連勝中だが今シーズンのフリー演技には特に魅せられている。

カナダのジェニファー・トーマスの名曲「A Beautiful Storm」と紀平さんのスケーティングが創り出す世界は何度観ても魅せられてしまう。これほど曲とスケーティングがマッチして感動を与えてくれるフリー演技は今まで観たことがない。真央ちゃんのソチのフリー演技も心の底から感動したが真央ちゃんにあった悲壮感やプレッシャー感とは違う紀平さんの伸び伸びとした演技には爽快感すら感じる。

紀平さんのスケーティングには上手さ、柔らかさ、優雅さ、しなやかさ、強さが全て感じられ、他のスケーターとは一線を画す魅力がある。持って生まれた身体的資質に加え、日々のトレーニング、音楽の解釈と演技力、本番での冷静な判断力と勝負強さなど全てが備わった今までの日本人スケーターにはない稀有の能力を感じる。まだ16歳にもかかわらず、常に前向きで誠実な受け答えにも敬服する。

昨年のグランプリファイナルでの演技を観てこれはぜひ生で紀平さんの演技が観たい!と強く感じていたが運よく3月のさいたまスーパーアリーナでの世界選手権、女子フリー演技のチケットが手に入りそうなので今から楽しみで楽しみで仕方がない。

LEICA Q

LEICA Q

油断

サッカーアジアカップは残念な結果に終わった。一昨日の決勝戦、日本はカタールに1対3で内容的には完敗とまでは言えないがスコア的には完敗だった。昨日はひとしきり評論家や選手たちの選評などが出揃って自分的にもなるほどそういうことだったのかと感じたので書いている。それにしても後ろ向きの勝手な事を言う評論家がサッカー界にも居る事にビックリ。張本のような人はどこの世界にも居るものだ。いずれにしても後ろ向きの発言からは何も生まれない。

ところで決勝戦だが結論から言えば先日イラン戦で書いた事が今度は日本に起こってしまったようだ。吉田主将の言「やはり油断があった」と、準決勝のイラン戦のパフォーマンスがあまりにも良かったが為、最強のイランを破ってのカタール戦ではやはり選手たちの心の中に少しの油断があったようだ。それが前半の2失点に繋がった。もちろんカタールの2ゴールは素晴らしいシュートだがそれを簡単に打たせてしまったのは悔やまれる。

後半は修正して1点を取ったところまでは良かったがVARによるPKで万事休し、結局、前半のほんの少しの油断と後半の不運も重なって敗戦となった。スポーツにもしもは無いがイラン戦がもし快勝に終わらず、苦労しての辛勝だったら結果は違っていたかもしれない。だが個人的にはカタールの優勝も悪い気はしていない。2022年のワールドカップ開催国としての面子が立ったわけで同じアジアの仲間としてこれはこれで良かったと言える。

RX10M4

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