HASSELBLAD XCD 2.5/38V

雲の形はひとときとして同じ形が無い。色や形から季節の移り変わりが感じ取れる。自宅ベランダからのありがたい眺望。自然の天才デザイナーぶりが毎日愉しみ。身の廻りにはドラマチックなシーンが溢れている。

XCD 2.5/38V。Vシリーズの中では最軽量で最もコンパクト。ハッセルに詳しい人なら38mmと言えばSWCだが実際は30mmの画角なのでかなり違う。気分はSWCで写りは普通の広角レンズ。ただ、その普通さの奥が深い玄人好みのレンズだ。

HASSELBRAD 907X 50C / XCD 2.5/38V

カメラを愛でる

現在のプライベートカメラはハッセルブラッドのX1D2、907X、X2Dの3台。美しいスウェーデンデザインとアルミ削り出しの金属ボディが他にはない質感を醸し出すカメラ。そんなカメラを傍に置いて日々愛でている。ところが昨今、カメラを愛でているなどとSNS上で書けばあらぬ批判の的になる。

自分はプロダクトとしてのカメラが大好きだ。美しいカメラは眺めても触れても心地よい。そして撮影に当たっては常に感謝の気持ちを忘れない。その為にブログを始めた2004年から機材名は必ず記してきた。写真はカメラが無ければ何も生まれない。写真を撮らせて頂いている機材を大切に思い、感謝の気持ちを持って機材名を記してきた。

これからもこのスタンスは変わらない。お気に入りのカメラを日々愛でて、心が動き美しいと思ったシーンにシャッターを切る。好きな機材で好きな時に好きなように撮る。自分にとってはそれだけで幸せなのだからそれで十分だ。そこには機材に対する妙な偏見とご立派な写真論は必要ない。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 2.5/55V

KADOKAWA CULTURE MUSEUM

仕事では何度か行ったことのある隈研吾氏設計の角川武蔵野ミュージアムへプライベートで初めて行った。2020年開館なので今更だがやはり凄い施設だ。建築も内装も今だに圧倒される。コンテンツもユニークで量も質も素晴らしい!

開館当初からの売りである書籍、アニメのフロアの充実ぶりには驚かされた。特に本棚劇場の空間は圧倒的だ。来年1月まで開催されている企画展のモネのイマーシブジャーニーは今流行りの没入型体感アート空間で思いもよらない素晴らしさにもう一度行きたいと思わせてくれた。

撮影については動画とフラッシュ以外は撮影可で三脚・一脚その他は当然NGだが通常の手持ちでのスチール撮影は一部を除いてほぼ全エリア自由だ。施設の性格上、なかなか太っ腹だと思うがこういう施設は最近増えている印象で良いことだと思う。よほど特殊な理由以外で撮影不可にして隠しても何のメリットもない時代だから。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD 907X 50C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD 907X 50C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBLAD XCD 2.5/90V

ハッセルブラッドXシリーズのF2.5Vレンズは2年前の9月に1億画素機のX2Dと共に38、55,90の3本が発表・発売された。突然発表されたVシリーズで全てオール金属製、フィルタ径も72mm径で統一され、軽量・コンパクト、AF・MF切替のクラッチ付きマニュアルピントリングと距離指標を持ち、ハッセルVシリーズへのオマージュデザインが何ともハッセルらしく、フィルム時代全盛の頃のレンズデザインを彷彿させたことを記憶している。

その後28P、25VとリリースされたがXシリーズの純正レンズはなかなか手に入らないことで有名でどのレンズも常に在庫無し状態が続き、予約してもいつ入荷するか分からないレンズばかり。今は各メーカーも似たり依ったりだがハッセルは全レンズが見事に無い状態が続いた。レンズが無ければカメラだけでは何の役にも立たない。そんなジョークみたいな事が現実となってしまっている。

このXCD 2.5/90Vはその中でもかなり酷い状況だった。2年前のちょうど9月に発表・発売されたが90Vだけがその後約1年間も発売されずに予約すら出来ず本当にこのレンズは存在するのか?とまで噂された。その間、誰も実物を見たことが無いというキワモノレンズだった。

発表・発売から約1年半を経てやっとショップにも入り始め、今年になって予約さえすれば数ヶ月?で手に入るようになった。自分の元へもようやく来たのが今年の春、これほどユーザーが待たされたレンズはライカの一部のレンズ以外記憶はない。理由は今でも不明だが。

昔から70~90mm前後の中望遠レンズにはメーカー問わず優秀なレンズが多い。このクラスのシャープな描写と美しいボケ味はやはりいい。そもそも1億画素はワイド系でこそ生きると思い込んでいる自分が90mmで1億画素が必要なのか?とも思ったがこのレンズとの組み合わせで被写体の質感描写が尋常ではない描写を見ると1億画素での90mmもまた違った価値があると思わざるを得ない。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V