和製ノクチとR5M2

夕暮れ時に散歩がてら伊佐沼へ。

水辺に誘われると言えば格好良すぎだがなぜか足が向く。夕陽が沈みゆく僅かな時間が創り出す瞬間は何気ない普通の光景でもとても惹かれる。さらにこのレンズが生み出す独特の世界はその印象をより強く映し出してくれる。

このレンズは随分前に手にしていてf1.0の大きなボケと盛大な周辺落ちが生み出すクセのある描写に惹かれ、R5M2の強力な手振れ補正とMFアシストの秀逸さで35mmミラーレスをプライベートで使用する場合、この組み合わせばかりになっている。

昨今のミラーレスカメラはAFや連射の速さばかりで語られがちだがこのカメラもその評価軸で良し悪しが語られている傾向がある。その為、MFで使用するユーザーが少ないせいかその快適さはあまり知られていない。

かつてM型ライカでノクチルックスを長年愛用していた。その世界観は唯一無二の世界だった。だが加齢から来る視力老化?低下?でライカを卒業した自分にとってこの組み合わせによる快適な使用感とノクチに勝るとも劣らない世界観はM型とノクチに代わる存在になっている。

M型ライカとノクチの組み合わせと異なるのが積層型CMOSセンサーと1/32000の電子シャッター。屋外快晴でもF1.0が自由に使え、かつローリングシャッター歪みの無い絵を撮ることが出来る。この差が意外と大きい。

フォクトレンダーのレンズクオリティと秀逸なフィーリングは言わずもがだがこのカメラのMF操作時の快適さと正確さは意外だった。とにかくMFアシスト時のピント精度は驚くべきものがある。唯一のデメリットは拡大時にシャッターボタンでの拡大解除が出来ないこと。

この機能はなぜかキヤノンは今まで頑なに搭載してこなかった。だが、最新のR6M3ではついに搭載された。キヤノンにはR5M2でも使用出来るようなファームアップを期待したい。そうなればMF時での撮影が完璧になる。

CANON EOS R5 MARK2 / NOKTON 50mmF1 Aspherical RF

KADOKAWA CULTURE MUSEUM

仕事では何度か行ったことのある隈研吾氏設計の角川武蔵野ミュージアムへプライベートで初めて行った。2020年開館なので今更だがやはり凄い施設だ。建築も内装も今だに圧倒される。コンテンツもユニークで量も質も素晴らしい!

開館当初からの売りである書籍、アニメのフロアの充実ぶりには驚かされた。特に本棚劇場の空間は圧倒的だ。来年1月まで開催されている企画展のモネのイマーシブジャーニーは今流行りの没入型体感アート空間で思いもよらない素晴らしさにもう一度行きたいと思わせてくれた。

撮影については動画とフラッシュ以外は撮影可で三脚・一脚その他は当然NGだが通常の手持ちでのスチール撮影は一部を除いてほぼ全エリア自由だ。施設の性格上、なかなか太っ腹だと思うがこういう施設は最近増えている印象で良いことだと思う。よほど特殊な理由以外で撮影不可にして隠しても何のメリットもない時代だから。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD 907X 50C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD 907X 50C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBLAD XCD 2.5/90V

ハッセルブラッドXシリーズのF2.5Vレンズは2年前の9月に1億画素機のX2Dと共に38、55,90の3本が発表・発売された。突然発表されたVシリーズで全てオール金属製、フィルタ径も72mm径で統一され、軽量・コンパクト、AF・MF切替のクラッチ付きマニュアルピントリングと距離指標を持ち、ハッセルVシリーズへのオマージュデザインが何ともハッセルらしく、フィルム時代全盛の頃のレンズデザインを彷彿させたことを記憶している。

その後28P、25VとリリースされたがXシリーズの純正レンズはなかなか手に入らないことで有名でどのレンズも常に在庫無し状態が続き、予約してもいつ入荷するか分からないレンズばかり。今は各メーカーも似たり依ったりだがハッセルは全レンズが見事に無い状態が続いた。レンズが無ければカメラだけでは何の役にも立たない。そんなジョークみたいな事が現実となってしまっている。

このXCD 2.5/90Vはその中でもかなり酷い状況だった。2年前のちょうど9月に発表・発売されたが90Vだけがその後約1年間も発売されずに予約すら出来ず本当にこのレンズは存在するのか?とまで噂された。その間、誰も実物を見たことが無いというキワモノレンズだった。

発表・発売から約1年半を経てやっとショップにも入り始め、今年になって予約さえすれば数ヶ月?で手に入るようになった。自分の元へもようやく来たのが今年の春、これほどユーザーが待たされたレンズはライカの一部のレンズ以外記憶はない。理由は今でも不明だが。

昔から70~90mm前後の中望遠レンズにはメーカー問わず優秀なレンズが多い。このクラスのシャープな描写と美しいボケ味はやはりいい。そもそも1億画素はワイド系でこそ生きると思い込んでいる自分が90mmで1億画素が必要なのか?とも思ったがこのレンズとの組み合わせで被写体の質感描写が尋常ではない描写を見ると1億画素での90mmもまた違った価値があると思わざるを得ない。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 2.5/90V

HASSELBLAD XCD 3.2-4.5/20-35E

ハッセルブラッド初の超広角ズームレンズ。XCD 4/21、XCD 2.5/25V、XCD 4/28P、XCD 2.5/38Vの四本分をカバーするズームレンズ。明るさは3.2~4.5なので明るさもほぼ同等。重さは約800g超で最新のXCDレンズの中では重い方だ。長さもXCD 2.5/25Vより1cmほど長いが鏡胴が2.5Vシリーズより若干太いので持った時のバランスはとても良い。

当初はX2Dで使うつもりだったがこのセットだとかなり重く手の負担が大きい。試しに907X50Cに付けたらあら不思議。重さは150g差なのだが持った時のバランスが最高。907Xの場合はコントロールグリップ必須だがこれがとても良い。実はコントロールグリップ付きの907Xの操作感はX1D2やX2Dよりも良い。デメリットはファインダーがないだけだがワイドレンズの場合、ウエストレベルスタイルの907Xは自然で撮りやすい。

自分のプライベートフィールドでの撮影スタイルとしてはX2DにXCD 2.5/90V、907X50CにはXCD 3.2-4.5/20-35Eが理想的なセットかもしれない。90VはX2DのAFと手振れ補正、美しいファインダーがありがたい。20-35Eはワイドズームなので907Xのウェストレベルのスタイルがフィットしている。デメリットは日中晴天でのモニターが見難いことくらい。

20-35Eの写りだがこのレンズも流行りのプロファイル補正が前提の現代的レンズ。かつてのビオゴンやホロゴンなどの純粋に光学系での性能追求型の広角レンズたちが懐かしくもあるが今は様々な理由で仕方のないことなのかもしれない。それよりも相変わらずハッセル純正の現像ソフトPhocusが非常に使い難く困っている。いい加減大人の事情は他に置いてユーザーオリエンテッドの視点でCapture Oneがハッセルに対応して欲しいものだ。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 3.2-4.5/20-35E