LEICA X2

LEICAのXシリーズというコンパクトカメラがあった。X1から始まり、X2、X-Eと続き、現在はディスコンになったが今でもコアなファンが存在する。自分もそのひとり。バルナックライカをモチーフにしたライカのオリジナリティ溢れるコンパクトカメラだ。初代X1のスチールグレーを発売と同時に手にし、後にブラックがリリースされてすぐにブラックに買い替えた。2010年発売なのでもう8年前になる。

その後、2012年に画素数や全体的なレスポンスをアップしてX2がリリースされ、2014年、外装デザインをリファインしたX-Eとなって2016年に生産が終了した。画素数が変わっても初代X1から基本的な外観デザインと中身はほとんど変えずに続いた名機だ。同じAPS-CセンサーでXやX Varioなどの派生モデルは出たがバルナックライクな初代Xシリーズとは別物だ。

Xシリーズの真骨頂は何と言ってもJPG撮って出しのクオリティでレンズ固定式のエルマリート、APS-Cセンサー、画像処理エンジンが生み出す諧調と立体感、これに尽きる。標準のカラーの渋さもライカらしく素晴らしいがモノクロームのコントラスト・諧調・シャープネスの絶妙なバランスは見事だ。この描写を越えるデジタルカメラは今でも少ない。同じライカのMモノクロームも秀逸だが方向性が違う。

X1で味わったモノクロームの描写が脳裏に焼きついて離れず、ディスコンになってからは市場にある中古のX1やX2が気になりつつなんとかやり過ごしていたが、X1はもちろんX2もコンディションの良いものがどんどん少なくなってこれは手元に残しておかなくては、と思っていたところ今年の初めに良い出会いがあり、再び手にした。やはりXシリーズのモノクロームは自分にとっては唯一無二の絵だ。ただ・・・撮った後、PCで見た印象そのままがウェブでは伝わりにくいのが残念だ。

LEICA X2

LEICA X2

ヨシダナギ女史の撮影法

先日、クレイジージャーニーという番組で女性写真家のヨシダナギさんをゲストに彼女のアフリカ青の民族「トゥアレグ族」との交流と撮影が描かれていた。内容自体は以前にも彼女がアフリカのとある民族を訪ねて撮影をする内容と基本変わらなかったが、あるシーンで目が釘付けになった。

モデルになってくれる数人の男性に太陽を背に逆光で象徴的な位置に立ってもらい、それぞれポーズを付けていざ撮影になった。彼女の機材はニコンの一眼レフ(おそらく標準ズーム付きD810?)を三脚に据えてProfoto A1をオンカメラ用とオフカメラ用2台でライティングし、シャッターを切っていた。

出来上がりの写真を見て唸った。普段はストロボ否定派でどうしても人工的な光になってしまうことが嫌で、またそうならない為にはかなりの準備とそれなりの出費が必要で自分には縁のないことと考えていた。彼女の作品を見る前までは・・・その作品がコチラ。逆光の中、上手く光を回してポージングも完璧、彼らの凛々しい表情とバックの美しい風景と相まってどこか別の惑星?と思えるほど美しい作品になっていた。

不遜な言い方だが他人の作品に滅多に影響を受けることは無いのだが、自分でもこんな作品を撮ってみたい!と衝動に駆られてしまった。聞けば彼女は独学で写真を学び、技術的なことは自分はそれほど詳しい訳ではなく、ただ、こんな風に撮りたい!と思っているだけだそうだ。久しぶりに他人様の作品と撮影法で刺激を頂いた。

LEICA X2

LEICA X2