WORLD FIGURE SKATING CHAMPIONSHIPS 2023

毎年恒例の空間デザイン業界の各賞が発表され、今年3月に撮影した世界フィギュアスケート選手権2023が3冠?に輝いた。3冠と言っても全てトップを取ったという訳ではないが・・・。

空間デザインに関する各賞は「日本空間デザイン協会」「日本サインデザイン協会」「日本ディスプレイ業団体連合会」の3団体が毎年春に募集、夏に審査、秋に団体別の選考主旨に則って各賞の発表という流れで決定される。

空間デザインに関わるクリエーターたちにとっては高い評価と栄誉を得られる場として多くのクリエイターが目指す賞となっている。また、クリエイターだけでなく、関わったフォトグラファーにとっても直接ではないが間接的に喜ばしい賞となる。

今回、自分がかつて在籍した会社の後輩デザイナーとのコラボレーションの結果、3団体の各賞でSDGS賞、銅賞、優秀賞を受賞した。過去、各賞を単独あるいは2団体で受賞することはあっても3団体で同時に受賞は自分が知る限りない。

EOS R3 / TS-E17mmF4L

これは空間デザインとしてSDGSという時代性を考慮した企画・空間構成、サインデザインとして優れたデザインコンセプトとダイナミックなCG映像、そして空間デザインと時代性を反映した世界規模のスポーツイベントとしての高い評価を得たことになる。

撮影はスチールとムービーを全てワンオペで行い。撮影環境もスタッフも最高のコンディションを整えて頂いた。ワンオペは本音を言うと大忙しで大変なのだが自分自身が納得できるクオリティを求めると今の自分にとってやり甲斐もあって性に合っている。

今回はスチール撮影、ムービー撮影・編集まで全て担当させてもらったがスチールについては本サイトのWORKS3でご覧頂ける。下のムービーはデザイン賞応募時に制作したものだがオープニングとエンディングで流れ、会場内でも常時流れていたCG映像を創ったデザインスタッフ、そして会場の空間構成を担当した後輩の空間デザイナーの尽力で満足のいくムービーが完成した。

今回素晴らしいプロジェクトに関わらせて頂き、各団体での同時入賞は日々クリエイター諸氏の為に励んできたことが結実し、それが縁の下の役割でも実に喜ばしく、感謝しかない。

EOS R3 / RF24-70mmF2.8L IS USM / RF70-200mmF2.8L IS USM
EOS R6 / RF14-35mmF4L IS USM / DJI RS3 / music:Airy, Artlist
ムービー閲覧パスワード:JLMV

星空タイムラプス

いつもの公園。毎週土・日・祝日に日没から21時までライトアップが行われる。昨夜、そのタイミングに合わせて星空タイムラプス撮影に臨んだ。今の時期は日没がどんどん遅くなり、21時閉園では長時間撮影になるタイムラプス撮影の時間が厳しい。日没が早く、空気が澄んでいる冬の時期を逃すと次の冬まで待たなければならない。

ここ数日、撮影方法や星空の基礎を学び、専用アプリで方角による星の軌跡の位置関係を把握してアングルを決めた。この公園は日中や日没前後は人は多いが7時を過ぎるとほとんど人影も無くなる。昨夜も自分以外は30分おきに懐中電灯を持って園内を見回りに来る公園スタッフだけ。タイムラプス撮影は孤独で時間が過ぎるのをただただ待つだけ。

昨夜は北極星がある北の方角。北極星を中心にベストのアングルで回る軌跡をほぼ狙い通りに撮影が出来た。目的はあくまで公園の四季の動画作品の中で星空のタイムラプス動画をスポット的に入れたい為、今後は北だけでなく東西南の各方角を含め、ジンバルを使った微動タイムラプスも撮影予定。先はまだまだ長い。

above : EOS R3 / RF85mm F1.2L USM DS
below : EOS R6 / RF15-35mm F2.8L IS USM / H&Y Filter Holder MarkⅡ/ 100mm K-Series Drop in Night Filter / 100 x 150mm K-Series Balancer GND 1.2 / Sirius Comp 64

半世紀ぶりのヒコーキカメラマン

自分が一眼レフを親に買ってもらってヒコーキ写真を本格的に始めたのは中学3年生の頃、当時、中高一貫の私立学校に通っていてその学校特有の時間割で水曜日の授業は午前だけ。お蔭で午後は時間があってよく羽田空港へ通っていた。高校生になると夢はパイロットになることととなり、ヒコーキ熱は益々盛んになった。

カメラはニコマートFTN、レンズはニッコール50mmと135mm、それにテレコンを付けて約200mm。しかもマニュアルピントで旅客機を必死に追っていた。今考えると隔世の感だがこれが当時は当たり前でアマもプロもマニュアルで離着陸する旅客機を撮っていた。

当時は今ほどヒコーキを好んで撮る人は多くは無かった。ヒコーキ専門のプロも数えるほど。旅客機もジャンボジェットが飛び始めたばかりで、ロッキードL1011トライスターやDC10も就航したてだった。DC8もまだ主力機で国産のプロペラ機YS-11も現役で飛んでいて顔ぶれは多士済々だった。

まだ、成田空港が無い時代で羽田が唯一の国際空港、アリタリアやルフトハンザ、BOAC英国航空、パンナムなどなど懐かしい航空会社で賑やかだった。その後、パイロットの夢破れ、徐々にヒコーキ熱も冷めてさらに写真を仕事にした為、プライベートでヒコーキを撮る機会など全く無かった。

フリーランスの仕事もそろそろエンディングを意識し始める年齢になり、プライベートに割ける時間も以前よりは増えつつある。これまで忘れていた「プライベートで好きなモノを撮る」という思いがふつふつと湧いてきた。考えてみれが機材自体は充実している。半世紀前に比べれば夢のような機材が目の前にある。これで撮らない手はない。そう思い立って早速羽田空港へ向かった。

改めて最新のカメラとレンズは凄い!日常はほとんど広角系でマニュアルピントで仕事写真を撮っている為、AFでの超望遠レンズのお作法に慣れるまでは時間がかかりそうだが極端に言えば誰でも簡単にプロ並みの写真が撮れる、と言ったら語弊があるが現代のAF性能や手振れ補正、高感度画質などもう感動しかない。改めてありがたい時代に生きていると思う。

写真は羽田空港第二ターミナルから、旅客機自体も好きだが今の羽田空港は東京スカイツリーや東京ゲートブリッジなどを遠景に臨み、近未来的な光景は半世紀前とは雲泥の差、それを上手く組み込んだ構図や超望遠を生かしてコクピットのパイロットの表情や会話などが伝わるシーンが今風だ。超望遠ズームも最新の超速AFも初心者並みのテク、何が正しいのかは分からないがとにかく楽しい!これに尽きる。

EOS R6 / RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

TOVE JANSSON AKEBONO CHILDREN'S FOREST PARK 2021 early winter

昨年秋に初めて訪れ、続いて冬に訪れ、この公園が一年で一番輝く光景のピークが少し前だったことを後で知った。知らなかったとは言え、何とも悔しい思いが残った。今年こそはこの公園の名を冠したアケボノスギ(メタセコイア)が黄金色に輝く光景を目にしたいと何度も訪れた。

撮影は三脚とジンバルをしっかり用意し、本気モードで臨んだ。動画を本格的に撮り始めて改めて気づいたことがある。これは写真にも言えることだが動画は機材の依存度が特に高い。ジンバルや三脚のクオリティが直接動画のクオリティに繋がる。

ジンバルはDJI RS2を使用している。プロ用ジンバルとして人気が高く、他社のジンバルに比べ、造りも安定感も操作感も素晴らしい。三脚はこれもプロ用として名高いザハトラーace L。一度触るとそのクオリティの高さが忘れられなくなる。他社の動画用三脚とは異次元のクオリティだ。

TVや映画関係の映像のプロが高価で重いザハトラーを使用する意味が分かった。RS2、ace L、どちらも軽くは無いし、かつ一般的には高価だが滑らかで自然な動きで被写体をストレスなく撮影できる。やはり動画の機材依存度は想像していた以上に高い。

空間系の撮影を主にしている自分としてジンバルは欠かせないが同時に三脚によるフィックスカットもお互いを効果的に見せるという意味では重要だ。シーンによっては手持ちの臨場感も良いが動きのあるジンバルと組み合わせた場合はきちんと構図を決めたフィックスカットの方が良いと思う。

最近ではミラーレス機の手振れ補正もかなり優れていて手持ちでもかなりの部分で撮れてしまい、三脚不要論もあるがこうして完成した映像を見ると三脚によるフィックスカットが映像の基本だと感じる。そしてようやく念願の輝く光景を残すことが出来た。

視聴パスワードはJLMV

EOS R6 / RF14-35mm F4L IS USM / RF70-200mm F4L IS USM / Canon-log /
music : lifes-sweetness---strings--piano by patrick-ussher Artlist