カメラを愛でる

現在のプライベートカメラはハッセルブラッドのX1D2、907X、X2Dの3台。美しいスウェーデンデザインとアルミ削り出しの金属ボディが他にはない質感を醸し出すカメラ。そんなカメラを傍に置いて日々愛でている。ところが昨今、カメラを愛でているなどとSNS上で書けばあらぬ批判の的になる。

自分はプロダクトとしてのカメラが大好きだ。美しいカメラは眺めても触れても心地よい。そして撮影に当たっては常に感謝の気持ちを忘れない。その為にブログを始めた2004年から機材名は必ず記してきた。写真はカメラが無ければ何も生まれない。写真を撮らせて頂いている機材を大切に思い、感謝の気持ちを持って機材名を記してきた。

これからもこのスタンスは変わらない。お気に入りのカメラを日々愛でて、心が動き美しいと思ったシーンにシャッターを切る。好きな機材で好きな時に好きなように撮る。自分にとってはそれだけで幸せなのだからそれで十分だ。そこには機材に対する妙な偏見とご立派な写真論は必要ない。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 2.5/55V

トーベ・ヤンソンの公園

紅葉の季節を前に久しぶりにこの公園を訪れた。まだ酷暑が続いていて訪れる人もまばらだが相変わらず豊かな自然に囲まれた静かな公園。この公園が一番輝く紅葉の季節の直前できのこの家の屋根の上には草花が生い茂って夏のシーンの最盛期だ。ここは園内の敷地だけでなく建物の内部もとても素敵な空間になっていて屋外でも室内でも癒される。

四季折々にお気に入りのカメラとレンズとの時間をゆったりと楽しめる場所で、タイトな条件で緊張感のある撮影を余儀なくされる仕事とは真逆で自分自身の撮影マインドのリセットができる。自宅から程近い場所にそういう癒しの場があることはありがたいことだ。

仕事柄、広角系レンズは標準レンズに近い。中でも超広角ズームが好きだ。広角は1mの差で画角が変わり絵も変わる。さらにズームレンズは焦点距離と被写体との距離・絞りによって表現の幅は劇的に広がる。ハッセルブラッドXシリーズ初の超広角ズームXCD 3.2-4.5/20-35Eは中判デジタルでの超広角域の撮影の自由度と利便性が格段に上がった。

超広角ズームとの組み合わせは中望遠レンズXCD 2.5/90V。ハッセルブラッドのレンズとしてはコンパクトで軽量そしてスリムでとても使いやすい。このセットでの撮影は目の前に広がるシーンと手の届くところにあるシーンとを交互に捉えることによって撮影における眼力のトレーニングにもなる。

仕事とは違って好きな時に好きな機材で好きなように撮るという愉しみと自然に囲まれて心身をリフレッシュできる時間は自分にとって大切だ。

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD X2D 100C / XCD 3.2-4.5/20-35E

HASSELBRAD X1D2 50C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD X1D2 50C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD X1D2 50C / XCD 2.5/90V

HASSELBRAD X1D2 50C / XCD 2.5/90V

HASSELBLAD XCD 2.5/55V

一月から三月までの目も回るような忙しさが終わり、昨日は久しぶりにご近所の伊佐沼の桜堤をゆるりと散策できた。最近はX1D2もX2Dもホワイトバランスはオート、画質はJPGオンリーで撮っている。仕事では毎回数百数千カットのRAW+JPG撮影でRAW現像後、ガチガチのレタッチでデータ納品という流れになる。

その反動と言えるのかもしれないがプライベートではフィルム時代のお作法に戻ってハッセルが目指すナチュラルカラーのまま出来るだけ少ない補正の絵が良いと思い始めている。フィルム時代のように撮影時にきちんと撮影されたハッセルの絵はハッとするほど美しく心地よく何とも言えない優しさがある。

この55Vは今年の初めに手にした。このレンズも未だに予約なしでは手に入れられず、ハッセルの恒常的な供給不足にも困ったものだ。この最新レンズシリーズの写りの印象は必ずしも良くなかった。今や現代レンズの常識?の光学性能ほどほどレンズなのだがレンズデザイン自体はVシリーズへのオマージュでなかなか良いと思う。

X1D2との組み合わせも良くマッチしていて新しいレンズの恩恵でAFも静かで速くなり、スリムで秀逸なデザインのグリップは相変わらず超絶心地よい。X2Dよりも軽くてコンパクトで標準域コンビとして常用になってしまった。見た目のサイズ感はソニーのミラーレス機並みでとても中判5000万画素機には見えないのも良い。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 2.5/55V / JPG / AWB

HASSELBLAD XCD 4/28P

いつも通っているお気に入りの公園はこの時期が一番輝くのだがピークは短い。毎年ちょっと早かったり、遅かったり、様々な種類の樹々があって全てがベストタイミングで揃うことは滅多にない。振り返ると一昨年が最高のタイミングだった。その時は動画で納めていたので残念ながら写真では納めていない。この公園の移りゆく四季をハッセルで残そうと思い立ったのが昨年でまだ納めていないシーンも多く、今後、気候変動の影響もあってどうなることか・・・。

XCD /28P。ハッセルXシリーズ新世代レンズの4本目。35mm換算22.4mmの超広角だが写りは自然な28mm。軽量・コンパクト、デザインはシンプル系。最短は短く、ハンドリングは文句ないがMTF曲線はイマイチ。だが最終的なアウトプットは悪くないという流行りのソフトウェアでの後補正レンズ。たまたま発売日に手にしたがこの後補正が好きになれないレンズだった。しかし実際の撮影フィールドでは良い印象に変わった。軽量コンパクトで何より最短の短さはやはり使いやすい。X1D2との相性も良く、さらに古いXCDレンズに比べてAFが速いのも嬉しいオマケだ。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 4/28P