ジブリパークとゴジラと・・・

昨年暮れからあっという間に日が経ってしまった。1月末から3月までの仕事が全盛期の様な忙しさで自分でも無事に撮影と納品を済ませられるのか?と不安になるほどの仕事量だったが、あと一週間ほどで落ち着きそうだ。一昨年、ジブリパーク一期工事での過酷な撮影の事は書いた。本日、ジブリパーク二期工事、つまり「魔女の谷」が無事にオープンした。これで全エリアが完成した。

今回も二期工事の撮影依頼を頂いて1月末の三日間、愛知のジブリパークへ行ってきた。前回ほどの超過酷な撮影にはならなかったが前回の酷暑に対して1月の撮影ならでは?で初日は雪!に見舞われ、酷寒のスタートとなり今回もどうなるのか!と心配したが二日目・三日目と天候は徐々に回復して最終日の午後には青空の中に劇的な雲が流れる天候になって屋外での撮影になるハウルの城はとてもドラマチックな撮影を終えられた。

完成が待ち遠しかったハウルの城だが実物大の高さ約20mはど迫力!本当に作ってしまった!という感想しか浮かばなかった。城の内装の拘り方も尋常ではなく、ジブリファンにとっては堪らない施設になっている。撮影は目まぐるしく変わる天候のおかげで雪の中のハウルの城や美しいマジックタイムでのハウルの城まで撮ることが出来て両カットとも天候のタイミングや通常の閉園時間を考えると滅多に撮れない貴重なカットとなった。

今回も役得で幸せな時間を持つことが出来た。ハウルの城は一年以上前の計画段階の小さな模型や実物大検証模型などから撮影を担当していたので他の施設よりも思い入れが大きく、魔女の谷には他にもジブリファンにとっては狂喜乱舞する施設やモノが限りなくあるのだがここでは伝えきれないのでぜひジブリパークへ!

3月には東京ミッドタウン日比谷前の初代ゴジラ像の撮影依頼があり、この時も天候とモデル役を務めた若い女性デザイナーのセンスのお陰で関係者の方々にも喜んでもらえる良いカットを撮ることが出来た。この時の撮影はモデルさんが気を利かして自前で用意した昭和テイストのファッションを見てゴジラマイナスワンモノクロバージョンが浮かび、映画のワンシーンをイメージしながらの撮影でそれが功を奏した。

その後、ゴジラマイナスワンは見事アカデミー賞視覚効果賞を受賞して日本中が盛り上がった。お蔭で初代ゴジラ像も大人気だったが残念ながら当初の予定通り受賞翌日に撤去となった。これ以外にもキッザニア甲子園や西武園ゆうえんち、東武動物公園、ツインリンクもてぎなどなどエンターテイメント系のジャンルの撮影が続き、社会的にも話題に上るような仕事に多く関われたことはカメラマン冥利に尽きる。

EOS R3 / RF24-70mmF2.8L IS USM

アップデート

年の瀬に思うこと、自分は世間的にはすでに高齢者と言える年代。同年代はすでに完全リタイヤしている者も少なくない。もちろんバリバリ働いている者も居ていわゆる現役世代を終えた我々の年代は生き方の違いが人それぞれ千差万別だ。そんな中、今年の自分は年齢を気にしつつアップデートという言葉が常に頭の中にあった。

心の片隅にはリタイヤという言葉も無くは無いがオファーを頂ける限り現役を続けたい気持ちの方が強い。だがこの時代、特に自分のジャンルでは現役で居る為にはあらゆる面でアップデートし続けなければならない。シンドイと思うこともあるが今はまだアップデート自体を楽しめている。特に今年はスチールとムービーの同時撮影の依頼が増えて基本ワンオペの自分にとっては体力・知識・技術・経験をフル稼働していく為にはアップデートし続けなければならなかった。

その結果、時代の先端を行く社会的にもよく知られた仕事を通じて大きな経験と刺激を貰えた。やはり自分にとっては先進的で魅力的な現場の環境に居続けてワクワクすることが心底楽しい。まさかこれほど長く現役を続けられるような人生になるなど想像もしなかったが人生とは分からないものだ。今年も多くの方々との出会いに感謝しつつ来年も健康でアップデートを怠らず、自身のパフォーマンスを上げ続けたい。そして大いに仕事を楽しみたい。

WORLD FIGURE SKATING CHAMPIONSHIPS 2023

毎年恒例の空間デザイン業界の各賞が発表され、今年3月に撮影した世界フィギュアスケート選手権2023が3冠?に輝いた。3冠と言っても全てトップを取ったという訳ではないが・・・。

空間デザインに関する各賞は「日本空間デザイン協会」「日本サインデザイン協会」「日本ディスプレイ業団体連合会」の3団体が毎年春に募集、夏に審査、秋に団体別の選考主旨に則って各賞の発表という流れで決定される。

空間デザインに関わるクリエーターたちにとっては高い評価と栄誉を得られる場として多くのクリエイターが目指す賞となっている。また、クリエイターだけでなく、関わったフォトグラファーにとっても直接ではないが間接的に喜ばしい賞となる。

今回、自分がかつて在籍した会社の後輩デザイナーとのコラボレーションの結果、3団体の各賞でSDGS賞、銅賞、優秀賞を受賞した。過去、各賞を単独あるいは2団体で受賞することはあっても3団体で同時に受賞は自分が知る限りない。

EOS R3 / TS-E17mmF4L

これは空間デザインとしてSDGSという時代性を考慮した企画・空間構成、サインデザインとして優れたデザインコンセプトとダイナミックなCG映像、そして空間デザインと時代性を反映した世界規模のスポーツイベントとしての高い評価を得たことになる。

撮影はスチールとムービーを全てワンオペで行い。撮影環境もスタッフも最高のコンディションを整えて頂いた。ワンオペは本音を言うと大忙しで大変なのだが自分自身が納得できるクオリティを求めると今の自分にとってやり甲斐もあって性に合っている。

今回はスチール撮影、ムービー撮影・編集まで全て担当させてもらったがスチールについては本サイトのWORKS3でご覧頂ける。下のムービーはデザイン賞応募時に制作したものだがオープニングとエンディングで流れ、会場内でも常時流れていたCG映像を創ったデザインスタッフ、そして会場の空間構成を担当した後輩の空間デザイナーの尽力で満足のいくムービーが完成した。

今回素晴らしいプロジェクトに関わらせて頂き、各団体での同時入賞は日々クリエイター諸氏の為に励んできたことが結実し、それが縁の下の役割でも実に喜ばしく、感謝しかない。

EOS R3 / RF24-70mmF2.8L IS USM / RF70-200mmF2.8L IS USM
EOS R6 / RF14-35mmF4L IS USM / DJI RS3 / music:Airy, Artlist
ムービー閲覧パスワード:JLMV

祝!World Baseball Classic開幕

開幕前にも関わらずここまで盛り上がるとは思いもしなかったWorld Baseball Classic。いよいよ今日から本番。大谷君、ダルビッシュ君らメジャーリーガーの参加で楽しみしかない。自分は以前からメジャーリーグのファンで大谷君の活躍からますますファンになった。自分世代は野球がメインスポーツの時代。小学生から始めて40歳手前まで草野球の現役?だった。

2005年に仕事で山形にある総天然芝の鶴岡ドリームスタジアムを訪れた。目的は野球殿堂博物館の展示で使用する為、そのことは大昔のブログで書いた。この時は奇跡的な運と天候に恵まれ、予想を遥かに超えるカットが撮れた。そのカットはこのサイトの実績ページにも載せている。それが今現在も博物館の展示コーナー入り口の壁面を飾っている。もう18年も経つが嬉しい限りだ。

博物館は現在、企画展「World Baseball Classic 侍ジャパン、世界一への挑戦」が催されている。開幕日の今日、東京ドーム界隈や博物館はさぞかし賑わっていることだろう。自分も今回のチームには期待しかない。特に大谷君にとって現在のエンゼルスではワールドチャンピオン獲得には厳しい状況だが今回の侍ジャパンでは可能性大だ。ぜひマイアミでの決勝戦で勝利してチャンピオントロフィーを掲げて欲しい。

博物館展示コーナー入り口壁面

2005年10月撮影のオリジナルカット