ミラーレス時代のキヤノン一眼レフ

今週は週の初めから撮影が立て込み、週末は名古屋と岡山の出張が続いた。そんな撮影仕事が出張を織り交ぜながら量的にオーバーフロー気味になると機材への依存度が上がってくる。現在の仕事用のカメラはキヤノンのEOS5Dsがメインで、ソニーのα7R3が二台、動画専用にα7S2が一台という体制だ。これがここ数年続いている。仕事用カメラは趣味用とは違い、目的がはっきりしているからただ新しいとか画素数が多いとかという単純な理由だけでは変えられない。

仕事では趣味とは違う次元の要求が多々ある。特に現場ではスピードと確実性が一番大切になる。最近はミラーレス機が主流になり、一眼レフの時代はもう終わった感が強い。しかし、実際に現場で使用している印象は異なる。確かに自分もいち早くソニーのミラーレスを導入し、使用目的によってはメイン機となる。だがしかし、現場でのフィーリングは違う。

キヤノンはニコンと共に一眼レフの歴史を築いてきた。ミラーレス全盛の今もその蓄積はそう簡単に崩れてはいない。咄嗟の場面での操作フィーリングはキヤノンに一日の長がある。EOS5Dsの使用方法は100%三脚にセットし、中判カメラ的な使用が前提になるが、このフィーリング、言葉では伝えにくいがシャッターフィーリングや指先に伝わる感覚、こちらが期待する結果の確実性など目には見えないがプロが要求するフィーリングへの応答性が確かに違う。

新しい機能が新しい表現を生むことはソニー機を使ってみれば分かる。ソニーの先進性や機能の豊富さは特筆すべきものだが、あまりにもコンパクトにしたがゆえの弊害でインターフェイス、特にボタンやメニュー操作が現場でこちらの要求するスピードや確実性についてこれない場面がある。また、あってはならないことだが稀に挿し込み方によってSDカードを認識しないことやバッテリーマネージメントなど電気系統の危うさなどは依然として存在する。

翻って、キヤノンにはそういったことは一切ない。機械的・電気的なトラブルはほぼ皆無だ。ゆえに信頼性という面でもまだまだキヤノンの一眼レフは仕事から外せない。残念なことは今後、EOS5Dsの実質的な後継機が期待できないということ。理想を言えばEOS5Dsのフィーリングと画素数を継承しつつ、高感度画質と処理スピードがさらにブラッシュアップしたモデルがあれば言うことは無い。

LEICA Q-P

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