先日伺ったFOTO-MUTORIのオーナーの木村氏との雑談の中で「ライカレンズは理屈ではない」という話で盛り上がった。氏も様々なライカレンズを使ってきたとのこと。その経験の中で、同世代のレンズで外観は美しくレンズ自体も文句が付けられないような高価な玉と、外観はボロボロ、レンズもバルサム切れや曇っていたりして誰も手に取らないようなお安い玉とで撮影した経験があるが、驚いたことに画像を見てハッとしたのはボロボロの方だった。と。
そう!理屈ではない、ライカレンズは。ハッとしたいが為に何度惑わされたか・・また、ボディとレンズとの相性も理屈ではない気がする。現在、自分のライカボディはM9-PとType240のM-P。センサーはCCDとCMOS。センサー自体の差で写りが極端に違うと思ったことはあまり無いのだがセンサーとレンズとの相性はあるような気がしている。M9-Pにはオールドレンズ、M-Pには現代のレンズ、これが今の自分の好みだ。
手元にあるオールドレンズ、今は球面ズミ35、E60ノクチ、ヘクトール73、そしてタンバールがあるが、これらをM9-Pの4つのプロファイル設定にそれぞれ充てている。いずれのレンズも相性は素晴らしいと感じる。これはもう理屈ではない。好みでもあるし、人それぞれのライカヒストリーから来る絵に対する見識もある。今の自分が双方の絵を見て単純に見比べるとM-Pの画像よりM9-Pの絵の方がハッとしたりすることが多いということ。
まあ・・M-Pの採光窓がない姿より、M型伝統の採光窓のあるM9-Pのデザインの方がオールドレンズは良く似合う、そんなスタイルから来るメンタルな部分も少々あることは否定はできないが。