YS-11

YS-11というのは戦後初の国産旅客機で1960年代後期に運航を始め、2006年に現役を引退した名機だ。引退はつい最近のことと思っていたがもう10年以上前のことになる。

先週、成田の航空科学博物館に行った折、実機展示としてこのYS-11が展示されていた。ひっそりと展示されていて平日だったせいか訪れる人も少なく、機体の回りに居るのは自分と同年代と思われる方々ばかり。今の若い人たちにはプロペラ機は過去の遺産にしか見えないのだろう。だが、自分は思わず「懐かしい!」と声を上げてしまった。

自分がYS-11に搭乗したのはたしか1992年頃だったと思う。仕事で北海道へ行ったときに札幌・丘珠空港から函館空港まで搭乗した。所用時間は1時間弱くらいだったと記憶しているが、このYS-11に乗ったのは後にも先にもその一回きりだ。だがその時のことは今でも鮮明に記憶している。なぜか?恐怖感以外は記憶していないから。

YS-11は今のジェット機とは違って双発のターボプロップエンジン、つまりプロペラ機、当時としては小型機に見えなかったが今のジェット旅客機に比べれば小型機に近い。ゆえにエンジン音と振動がもろに機内に伝わってくる。その上、離着陸時の上昇と降下における機体の傾き方たるやアトラクション状態。その頃も飛行機は好きだったのだがなぜか怖い記憶しかない。ゆえに鮮明に覚えている。それでも全ての機体が引退してしまった今ではもう乗ることも適わず、貴重な体験だったと言える。

LEICA M9-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M9-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.