黄金のバンタム

昨日19日未明、イギリス・スコットランドのグラスゴーで行われたバンタム級WBSSセミファイナル、井上尚哉vsエマニュエル・ロドリゲスの対戦は井上尚哉の衝撃的な2ラウンドTKO勝利となった。自分を含む多くの井上尚哉ファンたちは今回のような結果を願ってはいたがまさかあのような大舞台で現実になろうとは・・相手は無敗のチャンピオンである。いやはや井上尚哉というボクサーは想像を超えるボクサーだ。

大昔の話だが、かつてファイティング原田という名ボクサーがいた。自分が中学生くらいの頃だったと思う。ラッシュ時のパワーが凄まじく、無尽蔵のスタミナで数々の心に残る試合で今でも語り草になっているボクサーだ。モノクロのTV映像でのアグレッシブで心躍る試合っぷりを今でも記憶している。世界ボクシング殿堂入りした唯一の日本人ボクサーで初めて世界的評価を受けたボクサーだった。

その当時、今回の井上尚哉と同じWBAバンタム級チャンピオンにはブラジルのエデル・ジョフレという伝説のボクサーがいた。井上と同じように無敗の王者として君臨し、生涯成績は78戦してたったの2敗しかしなかったボクサーだ。バンタム級史上最強と評価する専門家も多く、認定団体がWBAと設立間もないWBCの二つしかなかったチャンピオンの価値が今よりも遥かに高かった時代だ。ゆえに彼は別名「黄金のバンタム」と呼ばれていた。その生涯たった2回の敗戦をさせたのがファイティング原田だった。

井上尚哉を見ているとファイティング原田とイメージが被る。ボクシングのタイプは違うがファンの心を強烈に惹きつけるボクシングスタイル、さらに世界的に評価されている点も同じだ。ただし、ボクサーとしての技術力・パンチ力・知性などは井上尚哉の方が上回っている気がする。エデル・ジョフレを破ったファイティング原田を上回っているとなれば井上尚哉こそ黄金のバンタムの再来と言える。

人間性も優れている井上尚哉、今や井上尚哉は26歳にして日本人ボクサー史上最高傑作の評価を得ているのも頷ける。この先どこまで昇り詰めるか楽しみでならない。

追記
ボクサーとしては2015年に具志堅用高氏、大場政夫氏が新たに殿堂入りしていた。具志堅用高氏は日本人ボクサーとして世界王座連続防衛記録保持者。大場政夫氏は故人でチャンピオンのまま亡くなった唯一のボクサー。このお二人ともリアルタイムで熱狂したボクサーだった。機会があればまた書きたいと思う。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

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