自分が関わっている空間撮影はその空間をデザインしたデザイナーが持つ雰囲気やデザインコンセプト、関わったスタッフの熱量、空間が持つ空気感、パワーなどスタッフや現場で直接感じるフィーリングが最後の仕上げに大きく影響する。それは目には見えないが言わば「感性」のプロセスだ。
フリーランスにとってオファーを頂かなければ何も始まらないが、依頼者側の依頼の仕方でこちらのマインド=感性が変わってくる。自分を正しく評価して頂き、信頼した上でのオファーは本当にありがたい。だが他のカメラマンの手配が出来なかったことが感じ取れたり、いの一番に費用を尋ねてくるケースなどはその後の仕事に繋がることは少ない。
お互いのリスペクトと信頼、これがすべてのベースになる。費用は大切だが最も重要なことはそこではない。こちらを評価した上でこちらのやり方を尊重してオファーを出してくれる時、そもそもオファーとはそういうものだと思うが・・フォトグラファーとクライアントとの関係はたとえそれが初めての依頼でもその関係性さえベースにあれば良い結果に繋がる。
良い仕事にはお互いの良きコンタクトから生まれる「感性のプロセス」が無くてはならない。それを感じとれる人との仕事は貴重だ。その場合は金額は二の次なる。コロナ禍の中、オファーは徐々に戻りつつあるがまだそう多くはない。そんな中でも「感性のプロセス」を感じさせてくれる仕事は100%以上の結果を残したくなる。