5年ほど前、スチールだけでなく、ムービーのオファーも増えはじめた頃からフルサイズミラーレスの先鞭をつけたソニー機を使い始めた。それに伴ってキヤノンの一眼レフ機の出番はスチールのみになっていった。時代はミラーレスに移りつつあった中、開発に遅れを取ったキヤノンからソニーへとシステムを変えるプロカメラマンも多くなり、自分も同じようにソニーがメインになっていった。
だが、この4月、仕事用のメインシステムを再びEOSに戻した。それまでのEOS-5Ds、α7R3、α7S3の複数マウントシステムからEOS R5、EOS R6のキヤノンオンリーのミラーレス体制になった。レンズもそれまでのTS-E 17mm f4L、TS-E 24mm f4L、EF 11-24mm f4Lに新たにRF 15-35mm f2.8L、RF 24-105mm f4Lの2本を加えた。それに伴ってソニーのレンズシステム、ソニー用のストロボシステム、RRSのLプレートなど全て放出した。
特にストロボシステムは念願だったProfotoにチェンジした。それまでソニー機用のストロボシステムにはProfotoの選択肢がなく、昨年、クリップオンタイプのA1Xが出て初めてソニーで使えるようになった。だがその時には別のシステムを運用していてそっくりチェンジするにはハードルが高く、如何ともし難い状況だった。Profotoはチャージのスピード、光量の安定度、発色の良さ等、評判通り素晴らしいストロボシステムだ。
ここまで一気にシステムを交換したことは今まで無かったがEOS R5とEOS R6がスチール・ムービー共に予想以上の完成度だったことに加えてRFレンズの先進性と高性能さ、そして将来性などを感じ、ボディとレンズのメインシステムを一気にキヤノンに戻してしまった。これでスチールもムービーもEOS Rシステム一本で運用することになった。
一気にチェンジした理由は他にもあって現像ソフトCapture OneでのR5、R6への完全対応やRRSのLプレートへの対応など発売直後には対応していなかったことが全て対応したことも大きい。仕事ではカメラとレンズだけあってもすぐに運用できるわけではなく、ソフト面やアクセサリ面も対応してこそのシステムだからだ。
それ以外にやはり新しい機材への高揚感や新たな表現の幅の広がりへの期待感などなど仕事への意欲が増すことが大きい。いまだコロナ禍が続くが機材をアップグレードすると依頼が増えるという今までの経験からするときっと良い流れになるのでは?と期待している。
EOS R5とEOS R6、RFレンズシステムを使い始めて久しぶりに本気になったキヤノンの凄みを感じている。スチール機としての完成度はさすがキヤノンでソニーにはない安定感・信頼感がある。ムービーの性能もボディ・レンズともソニーに追いつきつつあって自分レベルの運用では申し分はない。