LEICA M11とご先祖たち

先週の1月13日、LEICA M11が発表になった。各開発担当がそれぞれ解説を繋ぐプロモーションムービーで力が入っていた。M11で5世代目のM型デジタルになる。だが今回はあまりワクワク感はなかった。理由は今のM10-Pで十分満足していることと、あまりにも高価になってしまって現実的には今の自分には手が届かない存在になってしまったゆえ。ところでM型デジタルは今まで4世代使用してきたがふと振り返ってみた。

LEICA初のデジタルレンジファインダーカメラM8の発売は2006年12月。このあたりの事は過去ブログで書かれていた。ほとんど忘れていたが読み返してみて例の赤外線問題はありつつもM型初のデジタルカメラに興奮していたようだ。仕事でも使う予定だったのでブラックとシルバークロームの2台を同時にオーダーしていた。今思うと我ながら元気でヤンチャだった。

M8のマイナーチェンジ版のM8.2はM8のリリースから約2年後の2008年9月に発表され、M8からブラックとシルバークローム共にチェンジした。自分の過去ブログにあまり出てこない理由はおそらくM9の噂が出ていた頃で失敗作?のM8シリーズの出番が少なくなっていたのかもしれない。ただ、サイドブログのこちらでチラホラ書かれているので嫌っていたわけではないらしい。

そしてM9。2009年9月に発表された。これは今でもはっきり記憶している。9にちなんで9月9日にセンセーショナルに発表された。ライカとしてようやくフルサイズセンサーを積んだM型ライカのデジタルカメラが生まれた時の興奮は今でも覚えている。発売日の前日の25日は自分の誕生日でショップの好意で一日フライングで手にしたM9は一生忘れられないモノになった。これも過去ブログで書いている。

M9は自分のM型デジタル人生で一番長く使用したモデルで後にもう一台追加して2台体制になった。そのうちの一台をM9-Pにアップグレードして最後はM-Pと併用してトータル10年以上使用した。M9-Pについては右のTAG CLOUD「LEICA M9-P」に色々と書いている。

次にM-P。このM-Pは2013年に発表されたLEICA M(Type240)のプロフェッショナルモデルで1年後の2014年にリリースされた。この頃からM型デジタルは通常モデルではなく、専らプロフェッショナルモデルのPを好むようになった。やはりトッププレート上のLeicaの筆記体文字は何物にも代え難い。M-Pの事は右のTAG CLOUD「LEICA M-P」に色々と書いている。

そしてM10-P。スタンダードモデルのM10から遅れること約1年。2018年8月の発売日に満を持して手にした。M8から数えて12年、紆余曲折はあったがようやく真のM型デジタルカメラが完成した。ボディサイズはもとより、囁くようなシャッター音はあの伝説のM3の再来と呼べるモデルでこのM10-Pでライカは上がりと思えるようになった。振り返ると恐ろしいほどの投資をしてきてしまった。

M型ライカはフィルム時代からデジタル時代になってもボディデザインがM3以来、ほとんど変わらない。そして1920年~1930年代のバルナックライカ時代のLマウントから1954年のM3以降のMマウントのレンズがほぼ全て使える。こんなシステムはライカ以外存在しない。改めてライカに出会えたことはシアワセなことと思う。

M11はM10ベースの進化版でデジタルカメラとしてM10を超えて素晴らしいモデルとなっていることは想像できる。だが自分のフィーリング的にはM10-PでM型デジタルは完成したと感じているのでM11にはすぐには行かないと思う。ただし、M11-Pが出て自分の琴線に触れるようなモデルだったなら、思い切って人生最後のライカとするかもしれない。