一億画素のロマン

デジタルカメラ黎明期、自身初のデジタルカメラはNikonのCOOLPIX 950だった。センサーは1/2型CCDの約200万画素で本体がスイバル式のユニークなそれでいてニコンらしいクオリティのデジタルカメラだった。それから20数年、X2D 100Cは中判センサーで一億画素!20数年で約50倍の画素数になった。

画素数を増やすことと高画質は必ずしもイコールにはならない場合が多々あるが節目節目でブレークスルーのデジタルカメラが誕生してきた。個人的には1000万画素、2000万画素、5000万画素がひとつの節目になってきたと思う。そしてとうとう一億画素。ひと昔前まではセンサーが一億画素に届くとは想像すらしなかった。

仕事では5000万画素を常用していたので一億画素と言ってもそこまでの差はないだろうとタカを括っていた。だがしかし、普通に手持ち撮影をしてモニタで拡大したところ、驚いた。デジタルカメラの画像でここまで驚いたことはあまり記憶にない。

21mmF4開放で撮影した葉の部分を拡大したところ葉脈やその周辺までハッキリと確認できた。何気なく普通に撮影しただけだ。それまで一億画素とは高周波の風景を画面の隅々までハッキリと写し込むことがメリットと考えていたが、日常の何気ない風景の中で肉眼では確認できないモノまで写し込むことができる。

センサーが中判サイズということ、レンズが優秀ということもあるだろうがとにもかくにも一億画素の世界とはいわゆる質感描写を超えて被写体の素材そのものをキャプチャーするかのように人の目には見えてこないモノの本質までをも写し込む力がある気がする。長年、写真をやってきて初めてロマンを感じた。

HASSELBLAD X2D 100C / XCD 4/21 / w11656pixel (Original)

赤枠部分 / w2100pixel (Clipping)