アップルウォッチに救われる

自分はアップル信者とまでは言えないがかなりのアップルウォッチ信者と言える。アップルウォッチはシリーズ初代からシリーズ4まで全て使い、その後はシリーズ6、初代ウルトラ、シリーズ10,11と使用し、現在は3個のアップルウォッチを目的別に交互に使用している。今回はそのアップルウォッチの心電図機能に救われたお話。

昨年末、忙しさからかそれまでたまに出ていた期外収縮がかなり続いた時期があった。多忙と疲れからと気にせずいたが暮も押し迫った12月26日の夜、普段の期外収縮と違って心臓が連続してジャンプしている感覚があり、それまで興味本位程度に計っていたアップルウォッチの心電図で計ってみると初めて心房細動の兆候ありの通知が出た。

さすがに驚いて時間をおいて再度計ったがその後は通知が出なかった。ただ、年末年始休みに入る直前だったため、翌日すぐにかかりつけの循環器科に行き、心電図その他の検査を受けたが異常は見つからず、休みの間に何かあってはと頓服として不整脈の薬と抗凝固薬を処方され、年明けに改めて再検査となった。年明けの再検査でも異常は見つからず、ただ、持参したアップルウォッチの心電図データでは確かに心房細動の兆候がある為、主治医からはカテーテルアブレーションを勧められ、専門の病院を紹介してもらうことになった。

埼玉では一番大きな大学病院の不整脈科を紹介されたが大学病院ではよくある患者過多で3週間後にようやく受診できることになった。当然アップルウォッチのデータも出力して持参したがすぐに検査はせず問診ととりあえず2週間装着タイプのホルター心電図で詳しく調べることになった。ただその時、担当のドクターに言われた言葉はアップルウォッチのデータではわずかに兆候は見られるがこの程度の軽症ではカテーテルアブレーションの治療対象にはならないと。薬も副作用のリスクが高いから飲む必要はないと。大学病院はある意味最後の砦、そこで治療対象ではなく薬も必要ないと宣告され、どう対処したらよいのか?と不安感とある種の絶望感を抱いたことを今でも覚えている。

初診から1ヶ月半後、ホルター心電図の結果と精密検査のために2度目の診察を受けた。その間、アップルウォッチの心電図では何度か心房細動の兆候ありの通知が出てその出力データも持参し、それらと合わせて確定診断を受けた。初診時よりもアップルウォッチのデータでは確かに心房細動の兆候はあるが最終的な診断結果は3か月毎の経過観察で薬も飲む必要はないという診断だった。ここまでの2か月間、心房細動の発作は何度も出て、その時の症状も酷い時は夜通し眠れず、仕事にも支障が出ることもあってそれを伝えたが自説を語るだけで聞く耳持たずの姿勢。患者に一切寄り添わない姿勢のドクターで本当に大丈夫なのか?という不信感が生まれ、この状況で薬も飲まず3か月毎の経過観察など到底心身が持たないと考え、セカンドオピニオンとして他の病院を探すことにした。

そこで昨年暮れに初めて心房細動が出た時に色々調べていた医療機関の中で「東京ハートリズムクリニック」という不整脈とカテーテルアブレーション専門のクリニックがあったことを思い出した。このクリニックは本院が世田谷で他に新宿院と昨年開院した羽田院と新潟院があり、YouTubeなどでも積極的にカテーテルアブレーションや不整脈について詳しく丁寧に解説しているクリニックで紹介状は特に必要なく、軽症・重症問わず全ての不整脈患者を受け入れるというコンセプトでGoogleの評価も高評価ばかりのクリニックだった。

しばらく様子を見て受診しようと考えていたがたまたま症状が辛く、発作が続いて納まらない夜に我慢ができず、翌日朝一番で新宿院の予約を入れてアップルウォッチのデータを全て持参して診察を受けた。当日朝にすぐに各種精密検査後、即診察・診断というスピーディさで担当してくれた新宿院の院長はアップルウォッチのデータを見てここまではっきり兆候が出ていれば出来るだけ早くカテーテルアブレーションを受けた方が良いでしょうと。さらに辛ければ薬も飲んで良いと。辛いことを我慢することはないと。この言葉を聞いた時、それまで発作に苦しみ薬も飲めず不安で凝り固まっていた自分の心身がほぐれていくような感覚になり、やっと光が見えてきたと感じた。

それにしても同じ不整脈専門の医療機関でこうも正反対の診断が出るものなのか?と憤りを覚え、複雑な思いになった。今の時代、情報を出来るだけ多く多角的に収集し、患者として自らどのように対処していくべきかなど色々と考えさせられることになった。いかに立派な大学病院だろうが小規模のクリニックだろうが患者本位の姿勢が優先されることはいつの時代でも変わらないはずだ。これが忘れられている医療機関は医療を名乗ってほしくないと怒りにも似た感情を持たざるを得なかった。

新宿院での初診から3週間後、4月中旬に羽田院でカテーテルアブレーションを受け、その後、発作は起こらず、術後1か月の定期検診で特に異常なしとのことでようやく日常が戻ってきた。羽田院も新宿院と同様、出来る限り患者に寄り添う姿勢はGoogleでの高評価は偽りでは無いと感じた。GW明けには二度目の上高地に健康な状態で行くことが出来て昨年暮れからの怒涛の5か月間が今では夢のように感じる。

今回、結果的にはアップルウォッチの心電図機能に救われた形になったが初めて心房細動の発作が起こった直後はアップルウォッチなど付けていたからと後悔もしたが今となってはアップルウォッチの心電図データがあったからこそカテーテルアブレーションを受けることが出来たわけで本当に良かったと思っている。ドクターによっては否定的な意見もまだあるらしいが今回の東京ハートリズムクリニック新宿院と羽田院のドクターはアップルウォッチのデータの信頼性は高いという判断だった。

余談だが中には無症状の心房細動患者も多くそれが脳梗塞に結びつく危険性が高いということ。それで命を落としている人もいて故長嶋茂雄氏も無症状の心房細動に気付かず脳梗塞を患ったとのこと。良く聞くことだが自覚症状があっても病院での心電図検査では異常なしという診断が出るケースが多く、その場合、日常的な経過観察と言う意味ではアップルウォッチは最適だということ。今回の経験から強く言えることは今や全ての現代人、特に高齢者にはアップルウォッチは必須のアイテムと言っても過言ではないということだ。