アップデート

年の瀬に思うこと、自分は世間的にはすでに高齢者と言える年代。同年代はすでに完全リタイヤしている者も少なくない。もちろんバリバリ働いている者も居ていわゆる現役世代を終えた我々の年代は生き方の違いが人それぞれ千差万別だ。そんな中、今年の自分は年齢を気にしつつアップデートという言葉が常に頭の中にあった。

心の片隅にはリタイヤという言葉も無くは無いがオファーを頂ける限り現役を続けたい気持ちの方が強い。だがこの時代、特に自分のジャンルでは現役で居る為にはあらゆる面でアップデートし続けなければならない。シンドイと思うこともあるが今はまだアップデート自体を楽しめている。特に今年はスチールとムービーの同時撮影の依頼が増えて基本ワンオペの自分にとっては体力・知識・技術・経験をフル稼働していく為にはアップデートし続けなければならなかった。

その結果、時代の先端を行く社会的にもよく知られた仕事を通じて大きな経験と刺激を貰えた。やはり自分にとっては先進的で魅力的な現場の環境に居続けてワクワクすることが心底楽しい。まさかこれほど長く現役を続けられるような人生になるなど想像もしなかったが人生とは分からないものだ。今年も多くの方々との出会いに感謝しつつ来年も健康でアップデートを怠らず、自身のパフォーマンスを上げ続けたい。そして大いに仕事を楽しみたい。

HASSELBLAD XCD 4/28P

いつも通っているお気に入りの公園はこの時期が一番輝くのだがピークは短い。毎年ちょっと早かったり、遅かったり、様々な種類の樹々があって全てがベストタイミングで揃うことは滅多にない。振り返ると一昨年が最高のタイミングだった。その時は動画で納めていたので残念ながら写真では納めていない。この公園の移りゆく四季をハッセルで残そうと思い立ったのが昨年でまだ納めていないシーンも多く、今後、気候変動の影響もあってどうなることか・・・。

XCD /28P。ハッセルXシリーズ新世代レンズの4本目。35mm換算22.4mmの超広角だが写りは自然な28mm。軽量・コンパクト、デザインはシンプル系。最短は短く、ハンドリングは文句ないがMTF曲線はイマイチ。だが最終的なアウトプットは悪くないという流行りのソフトウェアでの後補正レンズ。たまたま発売日に手にしたがこの後補正が好きになれないレンズだった。しかし実際の撮影フィールドでは良い印象に変わった。軽量コンパクトで何より最短の短さはやはり使いやすい。X1D2との相性も良く、さらに古いXCDレンズに比べてAFが速いのも嬉しいオマケだ。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 4/28P

黄金色に染まる季節

お気に入りの「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」が黄金色に染まるこの季節。毎年楽しみにしているのだが今年の様相は少々違っていた。近隣でのクマの目撃情報で立ち入り制限区域があり、夜間はさらに制限が狭まって撮影も自由にというわけにはいかなかった。メタセコイアの色づきも振り返れば一昨年あたりが一番美しく、季節の移り変わりが変わってきていることを実感する。毎年変わることは逆に楽しみでもあるがさて来年はどうなることだろう?

HasselbladのXシリーズは人気があるとは言えないが手にした人にしか分からない魅力がある。最後はX1D2やX2Dを使ってみたいと言うベテランカメラマンも少なくない。中判センサーによる豊かな諧調やボケ過ぎない緩やかなボケ味、言葉ではなかなか伝えきれない描写の奥深さ、何より高齢者に優しいインターフェイスなどカメラや写真との付き合いが長ければ長いほどXシリーズの良さが沁みてくる。終のカメラと言えるかもしれない。

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 4/21

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 4/21

HASSELBLAD X1D2 50C / XCD 4/21

HASSELBLAD X2D 100C / XCD 3.5-4.5/35-75

LEICA Q3の評価

LEICA Q3がリリースされて早いものでちょうど5ヶ月。その間、写真と動画のまさしく二刀流で期待通りの活躍をしてくれている。LEICA Q3はM型ライカの血を受け継ぎ、高品位なボディに銘玉ズミルックス28mmを備えたレンズ一体型コンパクトデジタルカメラだ。

Q、Q2から進化してQ3はプロダクトとしてのクオリティ、画質、インターフェイスなどカメラとしてこれ以上何が必要なのか?と言えるほど現時点で文句の付けようがないカメラとなった。だが必ずしも正しい評価がされているとは言えない。

現在、Q3で写真と動画を積極的に使いこなしているユーザーは少ない。ライカと言えばM型ライカと同義語でQ3はM型ライカのエントリーカメラという位置づけが多くのライカユーザーの認識だ。その為、このカメラを語る場合、写真のみの評価が独り歩きしている。だがQ3の評価はライカ好きのコアなファンだけの評価に終わるカメラではない。

LEICA Q3 / 28mm / from home balcony

動画に関して動画だけ使いたいユーザーがこのカメラをわざわざ選ぶとも思えない。その為、最新のデジタルカメラとして正しい評価がされていない。写真も動画も二刀流で使えてこそ現代のフォトグラファーで少なくとも両方使用しての評価がなされるべきだと思う。写真に関してはすでに多くのSNS、ウェブサイト等で高い評価がされているが動画についてのレビューは限られた数しかない。

当初は仕事での動画のお作法でフルマニュアルの撮影を試みていた。特にf1.7という開放描写の誘惑に惑わされていた。ところがフルオートでも「絞り・シャッタースピード・ISO感度」が思いのほか賢い選択をしており、画質も通常使用においては全く問題が無い。マニュアルで表現したい場合を除いてフルオートでも十分表現出来ることが分かった。

LEICA Q3 / 35mmCROP / MACRO-MODE

Q3の動画性能は今の自分にとっては必要にして十分な性能だがウィークポイントもある。手振れ補正の効きが甘く、特にローリングに弱い。AFはもう少し速くなって欲しいし、シーンによっては神経質で気難しい動きをする。また、ライカの構造上、中間シャッターが選べないのでフリッカー現象が起こることもある。中間シャッターはともかく、他の2点はファームアップで何とかなりそうなので期待したい。

ただ、どんなカメラにもウィークポイントはあるもの。それを上手く使いこなすのもユーザーサイドの腕の問題だ。眺めて触って使って心地よく、常に持ち出しても苦にならない。どんなシーンでもその場の空気を壊さず、写真でも動画でもハイクオリティなイメージを生み出せる。Qシリーズ三世代目でほぼ完成の域に達した。LEICA Q3はライカ社が現代のイメージシーンに応えた唯一無二のデジタルカメラだ。
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LEICA Q3 / Full-Auto / DJI RS3 mini / iPad pro + Leica FOTOS + VN