このレンズ自体は発売からすでに十三年を経ている。だが、今現在でも文句のつけようがないほどの高評価が続いている。特に開放描写は数あるライカ標準レンズの中でも最高の評価。開放のシャープネスとバックのボケとのハーモニーはため息が出るほど。何気ないシーンを撮ってもいつも驚きの声が上がる。所有しているレンズの中でも一番のお気に入り。このレンズだけで他は何も要らないと思える時がある。もしもこれで撮れないモノがあった場合は潔く諦められる。と思わせてくれるほど。
それにもましてマイズミルクスは長年狙っていた初代をモチーフにしたクラシックタイプのデザイン。以前、同じクラシックタイプで限定のLHSAブラックペイントモデルをほんのちょっとしたタイミングで手に入れられなかったことがあってリベンジの機会を待っていた。一昨年の2015年3月、全世界500本限定として発表された直後、ライカ銀座へ即予約TEL。さすがに一番乗りだったがあまりにも早すぎて呆れられてしまった記憶がある。その3ヵ月後の6月に銀座の販売1本目として購入。
このブラッククロームは限定のLHSAブラックペイントに比べて落ち着きがあり、M9-PやM-Pのあまり艶の無いブラックペイントのボディの仕上げに絶妙に合っている。しかも真鍮製の専用フードも落ち着いた仕上げでかつ現行の引き出し式フードのものよりも使い勝手が良く、見た目も良い。長年憧れ続けたレンズがやっと手元へ来て眺めて撮って自分にとって今まで所有したライカレンズの中でも最高のレンズだ。