毎年初日には必ず行っていたCP+。今年は仕事が詰まっていて全く行くことが出来なかった。メーカーの担当者と直接話が出来る機会であったり他のプロの方々の独特なお作法などは勉強になるので時間を作りたかったがお仕事優先のフリーランスとしては致し方ない。中でも今年は三澤武彦氏がお話をされるということだったのでどうしても伺いたかったが本当に残念だった。
三澤武彦氏は私が尊敬する数少ない?プロの写真家で結婚式や家族写真・出産後の人々の撮影を専門としていてとりわけ結婚される前のカップルを独特の撮影手法で少し照れた中にも輝くような笑顔の写真をたくさん撮られている。数年前、新宿のエプサイトで写真展をされていた折、一度だけお会いする機会があってどうしたらあのような写真が撮れるのか?撮影助手として立ち合わせて頂きたいくらいだとお話すると大変謙遜されていたことを記憶している。
写真は撮影者の人柄が出るというがやはりそれは真実だ。特に人などを撮る場合は如実に現れる。三澤氏の写真は氏のお人柄で撮っているとも言える。翻って自分の場合はどうか?被写体は違えどもそこには空間を創った人々が存在する。自分はその創った人々=デザイナーやディレクターやスタッフの方々とどのように接するか?現場の空気をいかに自分が撮りやすい空気にするか。この良し悪しが結果に繋がると感じる。
コメディアンの高田純次氏が歳を取ったらやってはいけない三つのこと「昔話」「自慢話」「お説教」と語っている。高田氏は10歳ほど年上だが私くらいの年齢になるとどうしても犯しやすいことばかり。自戒を込めてこの言葉をこころに刻んでいる。それに加えて相手の肩書き・学歴・年齢などは出来るだけ取り払ってひとりの人として誠実に接すること。これらを出来るだけ守るようにしている。
だが、三澤氏のようにその場の空気を掴んで和ませて素晴らしい写真を撮るような境地には至っていない気がする。まだまだ見習わなければならないことがたくさんある。