昨夜、イチローが現役引退を表明した。来るべき日が来てしまった。今年のキャンプからオープン戦、開幕戦とあのイチローが全く打てない様子を見ながら何となく感じていたことが現実となった。ただ、彼なら50歳まで本当に現役を続けるのではないかと思い込んでいた。
仕事柄、役得と感じる仕事が稀にある。今から7年前の2012年、今年と同じアスレティックスvsマリナーズのMLB開幕戦が東京ドームで行われた。こういう変則的なMLBの開幕は初めてのことだったので特別なイベントが催されることになった。当時はライブステージやライブイベントも多く撮っていたので自分にお声がかかり、ワクワクして東京ドームへ向かった。
東京ドームのグランドレベル、メジャーの選手たちと目と鼻の先での撮影はエキサイティングな体験だった。スポーツカメラマンならば当たり前の事だと思うが畑違いの自分が彼らと同じグラウンドに立っていること自体が夢のようだった。その時はカメラマンというよりも野球少年の頃の自分に戻っていた。
もちろんイチローもマリナーズの一員として来日し、数メートル先のイチローの息遣いを感じながら彼をカメラに納めた。イチローはテレビなどを通じて見るよりも意外と身長が高い。近くで見るとそれを改めて感じたことを今でも記憶している。彼の記録に関してはもう言葉では言い尽くせないほどの偉大なプレイヤー。普段から節制を心がけ、常に美しく強くしなやかで独自の美学を持った稀有のアスリートだった。
平成が生んだ偉大なスターがまたひとり現役を終えた。長い間、夢をありがとう!そしてお疲れ様でした。次のステージでの彼の活躍を期待したい。