保護フィルタ

レンズフィルタ、特に保護フィルタについては人それぞれの考え方があるようだ。自分は仕事の場合は保護フィルタ類は一切付けない。撮影目的によってはPLフィルタは使用するケースもあるがその他のフィルタ類は使ったことがない。理由はレンズ自体の光学性能を損なう可能性がゼロとは言えないから。

当然、プライベートで愛用しているライカも同じ事が言える。いや言えたといった方が正しい。銀座の匠のアドバイスを頂く前までは・・。ライカレンズこそ最高の光学性能を持ったレンズでそれを損なうなど邪道だと考えていたし、オールドレンズに至っては個々のクセが個性でそれを邪魔するようなモノは一切付けたくなかった。

ただ、数年前、銀座の匠にレンズ修理で伺った折、板村さんはフィルタは付けないのですか?と聞かれ、控えめに持論を伝えたところ、厳密に言えば自分には写りのことは分からないけれどライカレンズで素のままのレンズは目に見えない埃や汚れがこびりついていてクリーニングしても取れないことが多々あるとのこと。いい加減に扱っていなくてもこれは避けられないことだと。

長い年月を経るとコーティングも損なれることもあって、ライカレンズは長く使えるものだし、高価で貴重なものも多いので出来れば保護フィルタは付けておいた方が賢明だと。持論はあったがそう言われると普段からライカレンズは人類の財産で自分が死んだ後も誰かに使われる運命と考えていたのでその日から保護フィルタをつけることに決めた次第。

言われてみれば保護フィルタの有る無しの写りの違いは厳密に言えば自分にも見分ける自信はない。少々不遜な言い方だが仕事用のレンズは替えがいくらでもある、だがライカレンズの替えはない。人類の財産の為に持論を少しだけ曲げたのだ。ちと大袈裟な言い方になるが・・・。

LEICA Q-P

LEICA Q-P