水曜日から昨日まで3日間、ビッグサイトのHCR2019に通い詰めだった。HCR2019とは正式名を「国際福祉機器展2019」と言って福祉に関するハードウェアやソフトウェア、サービス、関係企業、関係団体などが一堂に会する展示会でこの展示会の仕事に携わってかれこれ14年になる。
初めて携わった2006年は自分自身がまだ母親の介護を続けながらの撮影仕事だったので目にする事すべてが勉強だった。介護業界もまだ黎明期で今ほど参加企業も多くなく、生まれたばかりの介護制度の為の行政、各種関連団体主体の啓蒙・ピーアール的な内容だった。それが今では多くの企業と団体が参加し、福祉車両などは国内主要メーカーはもちろん数年前からはあのメルセデスベンツやアルファロメオなどの福祉車両が出展されるようになった。
今回、改めて感心したのは寝たきりで口と目しか動かせない障害者がニュースや天気予報、照明のオンオフ、その他生活全般でアレクサを便利に使っている映像。CMでカレーがどうとか彼女がどうとかそれもアリだがこれこそがアレクサの有効利用なのではないかと強く感じた。スマホやタブレットなどは介護業界では以前からその有用性は語られてきたが今後5Gの時代になれば障害者にとっては画期的な世界が広がるように感じる。
また、この展示会の特筆すべき光景は来場者も出展者も真剣だということ。知りたい事や調べたい事、新しい技術や知識など日々、福祉・介護の現場で悩んでいることをダイレクトに見聞きし、それに応える出展者の真剣な姿は毎年あちこちで見られる。そんな展示会はなかなか無い。モーターショーなどの単なるPRの場としての展示会が沈没しつつある昨今、ダイレクトな情報交換の場はそれを本当に必要としている人にとっては無くてはならないことを実感した。