ドラマインサイタマ2

モンスター井上尚弥のことは以前何度か書いた。

先週の6/7、再び相まみえたノニト・ドネアとの再戦は初戦と同じさいたまスーパーアリーナで行われた。2年7ヶ月前の初戦の時は絶対にモンスターを生で観たいと入手困難の中、チケットをなんとか手に入れて後に世界のボクシング界が選ぶ年間最高試合となったドラマインサイタマと言われた戦いを観覧席から観ることが出来た。

だが今回はなぜか絶対に生で観たい!と思えず、アマゾンプライムでの観戦になった。井上尚弥の戦いはプロデビュー後の数戦を除き、全てライブで観てきた。彼の戦いぶりは世界タイトル戦からが出色のファイトでその都度ごとに我々の期待を超えたファイトを見せてくれた。

だが、今回はあのドラマインサイタマを超える戦いをすることは難しいのではないかと内心思っていた。と同時にノニト・ドネアの絶好調ぶりも伝えられ、もしや・・・という思いもあった。だが蓋を開けてみれば井上尚弥の2RTKO!今回はさすがに驚愕した。言葉が出なかった。

井上尚弥はまたまた我々の期待の遥か上の戦いを見せつけてくれた。これでバンタム級の3団体(WBA、WBC、IBF)統一チャンピオンとなり、目指す4団体統一に残すはWBOだけとなった。現在のWBOチャンピオンは英国のポール・バトラーで相手としてはかなり格下となるがバトラーも戦う気満々なのでおそらく実現し、4団体統一チャンピオンとなるだろう。

こうして簡単に4団体統一と言うが日本のボクシング史上でも例がなく、世界でも9人しか達成していない。しかも各団体のベルトをひとつづつ獲得し、全てKOでの統一となると井上尚弥が世界初となる。とんでもないボクサーがこの日本から誕生したものだ。

今回のドネア戦後にリング誌のPFP(パウンドフォーパウンド)でも遂に1位となり、今や世界のボクシングシーンでの井上尚弥の名声は頂点に達したと言える。それでも彼はいまだ進化の途中でいずれ階級を上げ、スーパーバンタム、フェザーでも同様の戦いを見せてくれるだろう。これも以前書いたが井上尚弥をリアル世代として生で観られることは奇跡のようなことだと思う。