6年ぶりに熊本城を訪れた。
8月末、福岡での出張撮影が無事終了した翌日、いつもは撮影が終われば出来るだけ速やかに帰宅して大切なデータを一秒でも早く保存したいのだが今回だけはどうしても行きたい場所があった。
2016年、熊本を襲った熊本地震。その震災時、3日後に熊本での仕事の予定があったがあまりにも酷い被害の為に出張は延期になった。実はその時も熊本城を訪れる予定だった。
3か月後、延期になっていた仕事で熊本を訪れた。現場へ向かう道中、市内のあちこちに被害の傷跡が残る中、少し迷ったがやはりどうしても熊本城を訪れたかった。
熊本城の被害を実際に目の当たりにするとあまりの被害の大きさ酷さに驚いた。城のあちこちで大きな石垣が崩れ、今にも崩れ落ちそうな本丸御殿や天守閣の無残な姿、中でも「奇跡の一本石垣」で有名になった飯田丸五階櫓の姿には言葉が無かった。
この時はこれ以上崩壊させない為の仮設工事中だった。その痛々しい姿は今でも忘れられない。その折、復興は5年、10年単位になると聞き、自分の年齢から言って生きているうちに元の姿を見ることは出来るのだろうか?と、なんとも悲しい気持ちになった。
昨年春、5年の歳月をかけ、まず天守閣の復興が完了した。新たに天守閣内に展示スペースも作られ、熊本城内部を周遊する見学コースも設置され、かなりの人気を呼んでいた。
今回、博多駅から熊本駅まで初の九州新幹線を乗車するというオマケ付きで朝一番で訪れた熊本城は雲ひとつ無い快晴で輝くような姿を見せてくれた。6年前のあの悲惨な姿を知っている身として自然と涙が出てきた。
「奇跡の一本石垣」で有名になった飯田丸五階櫓は5年後の復興を予定しているらしい。さらに熊本城全体の復興完了は10年後くらいだそうだ。もし健康で長生きできていたら完成した姿に会いに行きたいものだ。