軽井沢千住博美術館

千住博氏の作品に初めて触れたのは2010年に開かれた横浜でのAPECの会場だった。それまで氏のことは名前は知ってはいたがバイオリニストで妹の千住真理子氏の兄上ということしか知らなかった。

千住博氏のご兄妹は画家と音楽家のご兄妹で芸術一家としてつとに有名だ。長男で画家の千住博氏、次男で作曲家の千住明氏、そして長女で妹の千住真理子氏のお三方でいずれも芸術性の高い作品ばかりを生み出している輝かしい一家だ。

2010年に横浜で開催されたAPECの会場で千住博氏の作品群が各国首脳を迎える空間を彩った。その会場記録写真の撮影で実際に氏の作品の数々をカメラに納め、たまたま最終チェックに訪れた氏をお見受けして上品で偉ぶらずに自然体のやり取りを垣間見てそのお人柄にも感銘を受けた。その時に初めて氏の作品を間近に拝見して感動し、その後は氏の作品を意識するようになった。

その千住博氏の美術館がAPECの翌年の2011年に軽井沢に開館して静かな人気スポットになっていた。今年の3月、氏の主要作品が各地の巡回展などを終えて2年ぶりに戻り、ほぼ全てが揃い、かつこの10月限定で一部のエリアでの撮影可という願ってもないタイミングが訪れたのですぐに伺った。

ウェブの評判や写真などでは感じられなかった美術館の独特の空間はとにかく素晴らしかった。ここで詳しく語り、伝えることは難しいが軽井沢の立地と自然と作品とを上手く組み合わせたランドスケープ的でかつリビング的な空間はいつも空間に接している自分が見ても静かな感動を生む素晴らしい空間だった。

作品は氏の若かりし頃の作品からなぜ滝=ウォーターフォールをモチーフにしていったか?から現在の崖シリーズへと続く変遷が一望できて居心地の良い空間で氏の作品群が体感できる。
ご興味のある方はぜひ!軽井沢千住博美術館
※12月末から2月末までは冬季休館になりますのでご注意を。 

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6