特別養護老人ホームに居る母親、齢96歳になる。可能な限り週に一度は会いに行っている。長年の不自由な体にも関わらず愚痴ひとつこぼさず、いつも「ありがとう」という感謝の言葉ばかりでわが母親ながら尊敬に値する母親だった。
だが今年に入って私のことや相方殿のことも分からなくなりつつある。脳内出血で倒れてもう30年ほどになる。その間、徐々に衰えて徐々に記憶も曖昧になってきているおかげで、こちらのショックはそれほどでもなく、母親の変化には何とか耐えられている感じだ。それでも息子のことが分からなっていく母親を見るのは切ないものだ。