TOVE JANSSON AKEBONO CHILDREN'S FOREST PARK

埼玉の飯能市にはムーミンをテーマにした施設がふたつある。ひとつは昨年オープンした「ムーミンバレーパーク」もうひとつは23年前にオープンした「トーベ・ヤンソンあけぼの子供の森公園」だ。前者はいわゆる大型テーマパークで有料の施設。後者は飯能市運営の公共の公園で無料の施設だ。

先日、ふと思い立って初冬の紅葉が美しい「トーベ・ヤンソンあけぼの子供の森公園」を訪れた。紅葉のピークの時期は過ぎていて少々残念だったが市が運営しているとは思えない雰囲気でムーミンの世界観を再現した公園は原作者トーベ・ヤンソンお墨付きで市民からも長く愛されている公園だ。

今回はタンバール1本勝負!で望み、前半の昼間のシーンは全て手持ち撮影。後半のライトアップは全てジンバル撮影というチャレンジングなプラクティス。α7S3とタンバールでのムービー撮影はこの公園の雰囲気にはフィットしているのではないかとセレクトした。

タンバールは写真では長い付き合いでクセも分かっているが結果的にご法度の「光源を写す」ことになってしまい、見事にタンバールの逆襲に遭ってしまった。事前イメージは間接光中心のライトアップでは?と思い込み、光源を読み違ったのだが、タンバールのクセはあるが後補正でも表現することが難しい独特の写りは唯一無二なのでこれもありかな?と思う。

撮影後も予想以上にクセが強すぎてどうするかな?と思ったが相方殿の印象は悪くないようなのでとりあえず一本にまとめてみた。ムービーに関してはまだまだなので撮影フローの違いやムービー独特の露出の掴み方など写真撮影との差を痛いほど感じながらジャジャ馬玉に翻弄された。

ムービーは撮影、編集、音楽のセレクトなど自分だけのストーリーを楽しみながら完結できる。時間の流れを自分で創るといった写真とは違った表現方法は刺激的で面白い。今は未知のことを学ぶこと、失敗することが楽しい。こうして一本一本積み上げることで見えてくることもある。かな?笑

閲覧パスワード 「JLMV」

α7S3 / Thambar 90㎜ f2.2 , Picture Profile / PP10

WINTER SCENE OF ISANUMA

ブログとはかなりご無沙汰になってしまった。仕事自体はさすがに減っていて忙しくは無かったが毎日の日課になってしまったウォーキングに勤しんだり、ほぼプライベートセミナー状態のYOUTUBE鑑賞、その他色々とあって暇を持て余すということはなかった。

中でもムービーの為の勉強とトレーニングは日々、楽しくやっている。YOUTUBEは動画のスキルアップにはこれほど便利でありがたいものはない。全てYOUTUBEから学んでいる。本当に既存の学校は要らなくなる時代になりつつある。ムービーについては仕事が通常状態に戻り、その時に願わくばさらなるスキルアップした状態で臨ればと思っている。

発売日に購入したSONYのα7S3の動画性能は今あるミラーレスカメラの中でもダントツのカメラだが高感度性能ばかりが注目される中、標準感度での映りも素晴らしいものがある。4K画質が10bitとなり、色情報も4:2:2で豊かになり、とても滑らかな映像となった。特筆すべきは新たなカラーサイエンスのCreative Look、その「FL」の雰囲気がことのほかお気に入りだ。

昨日は「FL」の色合いにマッチしたライカオールドレンズを携えて最寄りの伊佐沼へ出かけた。ムービーの難しさは昼間の撮影にはNDフィルタがマストだということ。レンズ前面に付けるフィルタは面倒臭くて仕方がなかったがα7S3とほぼ同時にリリースされたセンサー前面に装着するNDフィルタはその煩わしさから解放してくれた。

撮影はマンフロットの一脚を使用したがほぼ手持ち状態に近かったのでアクティブ手振れ補正も併用しながらなんとか撮影出来た。テクノロジーの進化には本当に助けられている。撮影後はその日のうちにすぐに編集、1分から2分程度のショートムービー制作がこなせるよう努力している。目指したいところは美しい映像と心地よい音楽で構成するムービングピクチャー。仕事目線の自分スタイルは大事にしたい。

vimeoでパスワード(JLMV)での閲覧可としている。

α7S3 / Summilux 35mm & Hektor 73mm , Creative Look / FL

感性に寄り添うM型ライカ

お盆休みで納品作業をしつつ傍らにあるM10-Pを眺めながら最近感じていたことなどを。最新のミラーレス一眼の売りのひとつに瞳AFがある。ソニーやキヤノンの最新機種のα7R4やEOS R5などは人間だけでなく動物や鳥の瞳にもピントが合う。しかも一度ピントが合えば余程の事がない限り外さずにピントが合い続ける。いやはや技術の進化は恐ろしいほどだ。

一眼タイプはピントの位置も絞りの効果も写る範囲もファインダーの見たままの結果が写真となる。一見、一眼タイプの方が正確に意志が反映されると思われるがこれが少々違うような気がする。今の一眼タイプは何も考えなくてもカメラが勝手にピント位置と絞りを決めて正しい写真を撮ってくれる。AFなどはもはや人間の意志決定のスピードを超えている。連続撮影は動画の切り出し画像を猛烈なスピードで見せられている感覚だ。

一眼レフの技術的な進化は大いに恩恵を受けてきた。ただ、最近の進化はどうも人間の感覚を超えている気がする。自分のタイミングでシャッターチャンスを捉えるという行為から外れ、カメラ任せで数多く打って撮影後にセレクトするという行為はあたかも入力行為のように感じる。百歩譲って仕事ならば入力行為でも良しとしよう。ただ、プライベートで撮影や写真を愉しむことからすると果たして正しい選択なのだろうか?

対してM型ライカのレンジファインダーカメラだがその技術的な進化は半世紀前に止まっている。今のカメラと比べたら不便極まりない。レンズの焦点距離とは関係なくガラスの素通しの光景で被写体を見る。ピントの位置と絞りを自ら決めてシャッターを押す。ライカは全て自分の意志で操作してシャッターを切らなければ結果は残らない。人間の意志が結果にダイレクトに繋がっている。

ファインダー内で被写体に相応しい構図を決め、ピントの位置と絞りを探り、どんな絵になるかを脳内でイメージしながらベストなタイミングでシャッターを切る。M型ライカは一枚の写真を撮る為に自分自身の感覚をフル回転させる。そういう意味ではM型ライカはブランド力以外にそのプリミティブな撮影プロセスゆえに半世紀も支持され続けていると感じる。

自分はM型ライカとマニュアルレンズで初めてピントと絞りの意味を教えられた。撮影行為とは五感をフル稼働させることも学んだ。今の最新機種はピントと絞りの意味を教えてくれるのだろうか?人間の五感をフル稼働させてくれるのだろうか?スマホがカメラにとって代わる現代だからこそ、若い方たちに人の感性に寄り添うM型ライカを使ってみてほしい。高価なだけのカメラではないことが分かると思う。一生の宝物になるはずだ。

SIGOTOMO LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

写真の感性

いきなり不遜な言い方だが他人様の写真が自分の写真に直接影響を与えたことは今まで全くない。他の方の作品を素晴らしいとか、美しいとか、上手いなあとか、良いなあ、と感じることはあってもそれが自分自身の写真や人生観などを根本的に変えることは無い。ゆえにそういう意味では写真展に足を運ぶことも少ない。

自分の写真はむしろ写真の世界の外の世界の影響を受けている。構図や色彩は絵画やグラフィックデザインから、光の感じ方や物語性、人との距離感などは映画やステージから、目の前の光景の感じ方は先人の言葉や偉大な音楽や四季折々の自然界の理などから影響を受けている。

これは写真だけでなく一般的に言えることだが発する言葉や態度、生きる姿勢、人生観などはすべて自分の今までの経験値を超えることはない。ゆえに優れた映画や絵画、デザイン、音楽、自然美などで自身のこころが動いたこと、実際に体感することが自分をカタチ創ることだと思う。写真の感性もその土台の上にある。

実はプライベートでの写真を作品と呼ばれることが気恥ずかしい。作品としての写真というものに対しては妙に照れがあって作品性をガチで真剣に語るシーンが苦手。ゆえに自分はいわゆる写真家と呼ばれる人種とは全く別世界に生きていると感じている。大好きなカメラという道具で写真という目に見えるカタチで身の回りの事象を自分が美しいと感じた瞬間を記憶として残すこと。そのことにしか興味がないようだ。そこには他人様の評価は存在しない。

LEICA M9 / SUMMILUX-M 35mm f1.4 @20090925 M9 first shot

LEICA M9 / SUMMILUX-M 35mm f1.4 @20090925 M9 first shot