無我夢中

コロナ禍の中、仕事もプライベートもライフスタイルが変わったこの1年。世間並みに仕事は減ったが自分の年齢に相応しい身の丈に合ったペースになった。そして自分を本当に必要としている人と必要としていない人が分かってきた1年でもあった。これは良きことと思う。

写真は専ら仕事だけ、逆に仕事に役立てばと始めた動画はプライベートで完全にハマってしまい、本格的に取り組み始めてしまった。さらに昨年、動画のスキルアップの為に訪れた「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に魅了されてしまい、この一年は何度も訪れた。

映画もミュージカルも大好きな自分にとって写真よりも動画の方がフィットしてしまった。この歳で夢中になれることに出会えたことは喜ばしいこと。楽しいは素晴らしいこと。写真は趣味から仕事になってしまったが動画は仕事のつもりで始めて趣味になってしまった。人生何がどう転ぶか分からないものだ。

今は動画のスキルが未熟なことは自分でも十分承知の助だ。だが撮影して編集して音楽をセレクトして完成させて人様の目に晒す。そして恥ずかしい思いを体験する。それでもめげず、繰り返す。それしか上達の道は無い。無我夢中で上手くなりたいと思っている。下手くそだからこそ上達を目指すことが理屈抜きに楽しい。

と言いながらライカで撮った写真も悪くはないとノンポリな自分だ。やはりライカとムービー撮影は対極にあって使う脳ミソが違う。それも楽しいと感じる。来年も健康で無我夢中になって楽しいことに出会える一年になればこの上なく幸せだ。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

東京2020オリンピック

今日はオリンピック開会式の日。東京では57年ぶりのオリンピックの開催。本来ならば一生に一度経験できるかできないかの感動のオリンピックになるはずだった。何の因果か呪われた大会になってしまった。日本には何の罪もないコロナ禍、延期による組織委員会のポンコツぶりの露呈、IOCの変わらぬ金満・傲慢体質などなど悪い情報しか耳に入ってこない。

組織委員会の現場レベルには自分の後輩や知人も出向していて彼らの心情を想うと複雑だ。ここ数日は何とも悲しくて腹が立って仕方がない。今回の組織委員会の問題は現場レベルにあるのではなく上層部の無責任と無知と古い体質、そして時代錯誤が最大の理由だ。いわゆる古い体質の組織にはよくあることだ。奇しくもそれがあぶり出されてしまった。

今のところ開会式は予定通り行われ、その後の競技もほとんどが無観客ながらスケジュール通り行われる。無観客とは言え、世界最大のスポーツの祭典、通常でもその運営の困難さは素人では想像すら出来ない。それに加え、コロナ禍の感染対策や猛暑対策等、現場レベルでの運営スタッフの苦労は大変なものがある。関係業界に居るものとして何とか大禍なく終わることを願っている。

先ほどブルーインパルスがオリンピックの成功を祈念して東京上空を飛んだ。生憎の雲と冬の快晴のようにはいかない為、五輪のマークははっきりとは確認できなかったが五色のスモークを残しながら都内の要所を飛んだ姿には感動した。五輪マークよりも多くの人々の目に留まってこちらの方がオリンピックに相応しい。自分の記憶にもその姿ははっきりと残った。

今日からは余計な雑音はシャットアウトしてアスリートたちだけを見て精一杯応援するつもりだ。何と言ってもオリンピックの主役は彼らアスリートたちなのだから。そして彼らを支える現場のスタッフたちにもエールを送りたい。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

写真と動画とRAWデータ

ブログの方が滞ってしまいましたが変わりなく生きてます。笑
ありがたいことに2月から3月にかけてお仕事の依頼が通常モードに戻ってしまった。戻ってしまったというのは不遜に聞こえるかもしれないが昨年のコロナ禍でのゆったりモードからいきなり通常モードへ戻すのは心身共になかなかにハードなので・・それでもありがたいことに変わりはない。

そんな中、2月にジンバルを使った少々変わった動画の依頼があり、これに向けて様々なシミュレーションをしていく中で今までのように仕事の写真とプライベートの写真という感覚で棲み分けて撮り続けていくことが変わってしまった。やはり写真と動画とは似て非なるものでしばらく動画脳でいると写真、特に対極にあるライカを全く使う気になれなくなった。

そんなことで久しぶりにブログに向かったがさて写真は?となった。そこで過去のM8、M9、M-Pで撮ったRAWデータを覗いてみた。便利なことに今はWindowsでも何もなくてもサムネイルのプレビューが可能で過去のライブラリにあるRAWデータの内容を確認しながらダブルクリックするとすぐさまCameraRawが開いて現像できる。

その昔、RAWデータだけは残しておいてソフトが進化した時にまた新たに現像ができるはずと言われていたがその通りになった。仕事のRAWデータは納品が終わればすぐに削除してしまうがプライベート、特にM8以降のデジタルライカのRAWデータは過去13年分を残してある。ということで過去のライブラリから今の気分で現像した桜と菜の花のお写真を。

LEICA M9 / Thambar 90mm f2.2 / 2010.0407 @Chidorigafuchi

LEICA M9 / Thambar 90mm f2.2 / 2010.0407 @Chidorigafuchi

ライカ近況雑感

ライカからまた復刻版がリリースされる。THAMBAR、SUMMARONに続く第三弾だ。今回はライカレンズの中でもレア度は1・2を争うNOCTILUX-M 50mm f1.2 ASPH.!オリジナルは1966年発売の初代非球面f1.2で生産本数は2000本にも満たない為に現在ではとんでもなく高価になってしまっている。ちなみに個人的には同じノクチでも第二世代のf1.0のE58タイプがノクチファミリーの中で一番魅惑的な写りをすると感じている。

今回の復刻版は通常モデルのブラックと世界限定100本!のシルバーでシルバーは普通のユーザーでは手が届かないレアモデルになりそうだ。ライカレンズの珍しいモデルの場合、まずはライカジャパンの優良顧客に声がかかって優先的にデリバリーされることが多々ある。日本に入ってくるのはおそらく10本か多くても20本程度かもしれないのでかなりのレア玉になりそうだ。価格は約200万!でこれも市場ではリリース直後から手が届かないほど高騰するのだろう。

限定モデルは「SUMMARON-M 28mm f5.6」「SUMMICRON-M 35mm f2.0 ASPH.」「SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.」のいずれも世界限定500本のブラッククロームモデルを所有している。以前よりブラッククロームとレッドスケールに目が無かったので迷わず購入したものだ。その中では「SUMMARON-M 28mmf5.6」が復刻版にあたる。今回の復刻版はブラックの国内価格が約100万!となりそうなのでさすがにおいそれとは手は出ないがブラッククロームモデルが出たら血迷ってしまうかもしれない。

それからつい先日、M10系のファームアップで不可思議な機能が追加された。その名は「ライカ・パースペクティブ・コントロール」と呼ばれるものでライカ曰く、カメラの傾きを検知してコンピュテーショナルイメージング処理を行い、建築写真などに現れるパースの歪みを自動補正するという機能。だそうだ。自分のお仕事的にはドストライクな機能なのだがM型ライカで使う気にはなれない。

自分は普段は仕事でEOS-5DsとTS-E17mm f4LやTS-E 24mm f3.5Lのいわゆるシフトレンズで光学的に歪みを補正して撮影している。実はデジタル的に補正を入れると画質に影響を及ぼすこともある。ゆえにデジタル補正は使用しないことにしている。今回のファームアップ、そういう要望があったのだろうか?M型ライカで何を想定しているのか理解に苦しむ。

百歩譲ってSL系ならばまだ良しと思えるのだが・・・コロナ禍で国内メーカーが苦しんでいる中、超高額な復刻版の発売や理解不能なファームアップなどライカは我が道を往くかの如くで相変わらずユニークなメーカーだ。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6