M10-Pを使い始めてそのM型ライカ度の高さは予想以上だ。だが同時に困った事がある。メモリアル的な存在で手放す事など微塵も考えていなかったM9-Pだったが先日あるホテル内で2台の同時使用をした折、そのフィーリングの差に愕然としてしまった。
ファインダー、シャッターフィーリング、高感度時撮影、処理スピードなどなど結果としての画質云々ではなく、撮影行為における差があまりにもあり過ぎて途中からM9-Pでの撮影は諦めてしまった。特にホテル内などでのシャッター音には雲泥の差があり、それまでさほど気にならなかったM9-Pのシャッター音が喧しく感じてしまったことにショックを覚えた。
プライベートでの撮影フィーリングは大切で特にM型ライカはそこが最大のメリットでもある。前モデルのM-PとM9-Pでの同時使用時にはほとんど気にならなかったのだがM10-Pとはあまりにも違いがあり過ぎる。もっと言えばM10-Pのフィーリングを一度経験してしまうとM-PやM9-Pには戻れない。デジタルプロダクトにおける10年の差とは残酷なものだ。それほどM10-Pの完成度は素晴らしい。