幸福バロメーター

昨今のSNS上では悲しいことにカメラを語ることを蔑む発言が少なくない。そもそもカメラは写真を撮る道具なのだから写真を語らずカメラだけを語るのはただの機材オタクで本来の目的から逸脱している的な狭い価値観の考え方だ。

特に写真の社会的な関わり・意味合いや作品そのもののクオリティなどに重きを置く人達は機材だけを語ることを忌み嫌う傾向がある。もちろん写真自体を語ることの意味と大切さは重々承知している。だがそこではない、そもそも論点が噛み合っていないのだ。

自分は以前から気に入ったカメラは撮影目的以外に工業製品(プロダクト)としての魅力を感じている。カメラは写真を撮る目的を持った工業製品として世に生まれてきた。工業製品は人の生活に役立ち、寄り添い、直接五感に響く道具として存在する。カメラも同様でプロダクトとしての素晴らしい魅力がカメラには存在する。

ライカやハッセルが永く愛されてきた理由にはプロダクトとしてのデザインの美しさや手にした時の質感からの高揚感など撮影目的以外の魅力を秘めていることは誰もが感じることだ。そしてその美しいカメラと共に過ごす時間が何よりも幸福と感じる人々が存在する。自分もそのうちの一人だ。

人生において一番大切なことは自分自身の「幸福バロメーター」でシアワセと感じる時間をどれだけ多く持てるかだ。ただの道具だの写真を撮ることが本質だの己の価値観だけを主張する輩が何を論じようが関係ない。大切なのは自分自身がシアワセと感じる「幸福バロメーター」だ。

写真を語り、深く探求する人が居る。撮影を楽しみ、技術を追求する人が居る。気に入った機材を愛し、大切にしたいと思う人が居る。お互いが幸福と感じる価値観を尊重し認め合うことが写真文化全体を高め広げることだと感じるのだが違うだろうか?

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