灯台めぐり

今年の1月にふと思い立って犬吠埼灯台を訪れた。
30年ほど前に国内の灯台、それも明治時代に建てられた歴史的意義のある灯台を追って日本中を駆け回った時期があった。それらはすべてリバーサルフィルムで残っている。いずれこのサイトでまとめて発表したいと考えているが遅々として進まない。フイルムからすべてスキャンしてデジタルデータに変換しなければならないのだがそのハードルが意外と高い。

当時はまだ会社勤めのアマチュアで機材も今ほど充実していたわけではなく、そんな中でも休日を中心に朝な夕なにリバーサルをたくさん抱えて駆け回っていた。あの頃の情熱は懐かしくもあり、どこからそんなエネルギーが沸いていたのか今思うと不思議なくらいだ。ただ、相変わらず灯台は気になる存在で今のデジタル機材で改めて撮り直したいとも思うがなかなか間々ならない。

その頃の夢はカナダ・プリンスエドワード島の赤と白の美しい灯台たちに会いにゆくことだったが、当時は船で渡らなければならなかった島も立派な橋が架かり、今では有名な観光地となって賑わっている。自分の夢もそろそろ実現しなければこちらの時間がなくなる年齢になってきた。寒い1月に久しぶりに訪れた犬吠埼灯台は昔と変わらない勇姿で迎えてくれた。もしかしたら呼ばれたのかもしれない。

ちなみにこの犬吠埼灯台に隣接する展示資料室の建設計画にも関わっていて2階のギャラリーには当時、私が提供した作品が色褪せずにまだ展示されていたのには驚いた。

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.