タンバールの新型と旧型、さすがにその写りを比べた方はまだほとんど居ないのでは?と思われる中、あの清家富夫氏が早速、新と旧を比べ始めた。清家富夫氏はライカ使いでよく知られた著名な写真家。特にノクチルクスやヘクトール、そしてタンバールなどのライカオールドレンズについてはとても造詣の深い方。世界広しと言えども新旧タンバールを語るに氏ほど相応しい方はいないだろう。
数年前に氏の写真展に伺った折、お会いしたことがある。物静かな紳士だったことを記憶している。タンバールの描写については新型を使い始めてまだ間もないので断定的なことは書かれていないが氏のブログ内のコメント欄でいくつか印象的な言葉を書かれている。氏曰く。
「旧タンは齢80超えですが、開放でも絞っても新タンに劣るところはないですね。コントラストのきつい部分の描写ではむしろタンバールとしては望ましい柔らかさが備わっていて、新タンにこれを求めるのは時間が必要なんでしょう。」
「タンバールは個人的に興味のあるレンズで、密かに新しいタンバールの誕生を期待していました。しかしライカは復刻版ということで、形状もレンズ構成もオリジナルに極めて近いものを出してきました。その写りもまたきわめてオリジナルに近いというのがこれまでの印象です。多分一番恩恵を受けるのはオリジナルのタンバールなのかもしれません。」
氏の印象がどのように変わっていくのか興味深い。