アドレナリン効果

昨日は前日の名古屋出張に続いて早朝から午前中いっぱい撮影で一旦自宅へ戻り、夜9時から深夜まで再び撮影だった。さすがに出張からの二日続きの目一杯の撮影は疲れたが我ながらこの歳でなかなかやるわい。と。今更だがどうもこの仕事が天職な気がする。少々体調が悪くても現場に出て美しいシーンを探り、三脚を構え、ファインダーを覗いて構図を整え、液晶でピントを確認、シャッターを静かに押す。この一連のアクションが全てを忘れさせてくれる。

おそらくアドレナリンが最高に噴出し、たぶん体には良い影響を与えてくれている。と信じている。現実問題、仕事が空いてしばらくこのアクションから離れていると心身ともに絶不調になる。フリーランスの方々はこういう傾向の方が多いと思う。「好きなことは仕事にするな」とよく言われるが、たしかにその理屈も分かる。ただ、本当に好きなことを仕事にすることは素晴らしいことだと思うし、何より会社員時代に常にあったストレスは皆無だ。

還暦を過ぎて今のところ健康で好きなことでアドレナリンを大噴出して自分を必要として頂く仕事があるということは本当にありがたい。周りに居る同年代の現役をリタイアした知人たちを見ていると自分は最高にシアワセ者だ。だからこれからも新しい機材や撮影方法にじゃんじゃんチャレンジしていくのだ!そこかい?

LEICA M-P / ELMARIT-M 28mm f2.8 1st

LEICA M-P / ELMARIT-M 28mm f2.8 1st

のぞみのグリーン車

国内の出張は北海道や九州、四国などを除けば、車でない場合はほとんど新幹線のぞみを利用している。カメラマンの出張は荷物がかなり多い。日帰りの場合は100%機材関連。宿泊の場合でもほぼ90%が機材、着替えやその他の宿泊用の荷物は10%といったところで、スタイルは大型のキャリーバッグと三脚ケースのセットになる。

一昨年くらいまではのぞみの普通指定席を利用していたが昨年からグリーン車を利用するようになった。理由は機材の安心・安全と自分自身の精神的・肉体的な負担の為、きっかけは一昨年の名古屋出張。のぞみの場合、東京から名古屋までは1時間40分ほどで時間的には全く負担はない。特に行きは普通指定席でも激混み状態で無い限り、負担ということは無い。しかし帰りが大問題。

出張の場合、帰りは夜になるケースがほとんど。帰りののぞみが新大阪や京都を経て名古屋に到着する頃にはほぼ満席状態で空いていても3席の真ん中のみということになる。この状態で大型のキャリーバッグと三脚ケースを持って乗り込むと全くと言って良いほど荷物の置き場所が無い。撮影でヘトヘトになった上に置き場所のない機材を足元辺りに置いて両脇の客に気を使いながらの東京までの1時間40分は悲惨な状態になる。トイレも躊躇する。なぜならこれが一番の理由だが機材の心配だ。

行きはまだ何かあっても自分だけの被害で済む。だが帰りはそうはいかない。撮影後の大切なデータが入った機材にもし何かあった場合は撮り直しという次元ではなく、そこには公開前の事前情報や絶対に世に出てはいけない機密情報など含まれる。もしそれらに何かあった場合、もうアウト。この仕事を続けられなくなる。そういった諸々の事情でグリーン車を利用するようになった。利用されたことのある方は分かると思うがグリーン車の快適さと安心・安全さは普通車とは雲泥の差である。

ゆったりとした幅広い座席、多めにリクライニング可能なリラックスできる足元。左右2席づつなので棚を含む荷物置き場は余裕のキャパシティー。アテンダントによるおしぼりサービス。食べ終わった後などのゴミの回収。何より客層が良い。おまけに芸能人や有名人との遭遇率も高い。とにかく機材が安心で肉体的・精神的にリラックスできる。これに尽きる。自分にとっても顧客にとっても総合的に考えてグリーン車の追加料金は全く高くない。むしろお安いくらいだ。

LEICA Q

LEICA Q

Hektor 73mm f1.9

現在所有のヘクトール73mmはブラック&ニッケルタイプ、中古市場でも一番人気の玉らしい。ヘクトールには外観だけでも様々なバリエーションが存在する。私も今まで3本のヘクトールを使用してきたが初めの2本はヘリコイド部がクロームの生産量が一番多いと言われているポピュラーなタイプ。2本とも写りはそれぞれ微妙に違っていた。

最初の1本は何も分からずに手に入れた。それなりの写りだった記憶がある。ただ、M8の頃だったので73mmではなく換算約90mmになっていたのでおそらくレンズのアラも出ていなかったのではないか。2本目はM9だったのでレンズのクセもストレートに出てピントもかなり良く柔らかさも程よく、今振り返ると一番良い写りだった気がする。使用していてなぜかピントがズレてきてしまい、結局手放してしまった。そして今の玉で3本目である。

描写自体は柔らかく、ハイライト部は滲み、ライカオールドレンズらしい独特の描写で一度この描写を味わうとその虜になる人も多い。一度手放すと不思議にまた欲しくなる玉だ。ヘクトール自体もともとの生産量は約7000本強と言われていて少ないのか多いのか微妙だが、さすがに80年近く経てば年々コンディションの良い玉が少なくなりつつあり、価格も高騰していて手に入れることが難しくなってきている。

実は私の玉は問題の玉でこのあたりのことは過去のポストで詳しく書いているのでそちらをご一読頂きたい。ただ、決して写らない玉ではなく、撮り方次第でびっくりするほどのヘクトールらしい写りをするときがある。要は撮影者の見識が試される玉ということだ。ゆえに手放せない。どうせ手放してもまた欲しくなる玉だから。

LEICA M-P / Hektor 73mm f1.9

LEICA M-P / Hektor 73mm f1.9

ライカストラップ

先日初めてLEICA STORE GINZA SIXへ。GINZA SIXは仕事でオープン前に行っていたがオープン後は常に混んでいるようだったのでしばらく時間を置いていた。ライカ銀座とは赴きも違ってとても開放的なショップ。銀座とは志向を変えてアクセサリー類を中心にライカ以外のメーカーのバッグやアパレル系のグッズなども置かれていた。いつも送られてくるライカからのDMで見たバッグやTシャツなど目の毒になるようなものが置いてあってかなり危険な場所だ。

今回の目的は昨年発売になったレザーストラップ。Qのキャンペーン用らしいのだが全部で何色あるのか?というほどのカラーバリエーションで実物をぜひ見たかった。たまたまGINZA SIXにあることを知って訪ねた。実物はフイルム時代からあったレザーストラップと違って色合いが鮮やかでレザーも薄く柔らかい。ネックパッドも付いていてなかなか好印象。

購入したのはQ用にセメントグレーを、ついでにM-P用にレッドも。このストラップ、ステッチの違いやブラウンの微妙な色違いなどかなりバリエーションがあってウェブ等では判別がなかなか付かない。グレーという色はストラップでは他メーカーを含めて今まであまり無かった気がする。チタングレーのQにはピッタリ。ついでに買ってしまったレッドだが、ライカレッドに近い鮮やかなレッド。相方殿がこのレッドを付けたM-Pを一目見て「カワイイ!」とのこと。正解だったようだ。

LEICA Q

LEICA Q