10年の差

M10-Pを使い始めてそのM型ライカ度の高さは予想以上だ。だが同時に困った事がある。メモリアル的な存在で手放す事など微塵も考えていなかったM9-Pだったが先日あるホテル内で2台の同時使用をした折、そのフィーリングの差に愕然としてしまった。

ファインダー、シャッターフィーリング、高感度時撮影、処理スピードなどなど結果としての画質云々ではなく、撮影行為における差があまりにもあり過ぎて途中からM9-Pでの撮影は諦めてしまった。特にホテル内などでのシャッター音には雲泥の差があり、それまでさほど気にならなかったM9-Pのシャッター音が喧しく感じてしまったことにショックを覚えた。

プライベートでの撮影フィーリングは大切で特にM型ライカはそこが最大のメリットでもある。前モデルのM-PとM9-Pでの同時使用時にはほとんど気にならなかったのだがM10-Pとはあまりにも違いがあり過ぎる。もっと言えばM10-Pのフィーリングを一度経験してしまうとM-PやM9-Pには戻れない。デジタルプロダクトにおける10年の差とは残酷なものだ。それほどM10-Pの完成度は素晴らしい。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

APPLE WATCH 4

Apple Watchはシリーズ1からの大ファンで1から3まで全シリーズ愛用してきた。3世代使用していく中でフリーランスにとって仕事やプライベートでは欠かせないアイテムとなった。暗所での正確な時間や電話やメールの着信、天候の把握はもとより健康面の管理の為、24時間常時装着している。

フリーランスにとっては特に健康面のメリットが高い。安静時の心拍数、毎日の歩数やカロリー、ワークアウト時の歩行距離や消費エネルギー、平均ペースなど。就寝時は就寝時間、心拍数、眠りの質などApple Watch+iPhoneで毎日の健康状態を管理している。ただ、24時間常時使用となると1台では充電時間の関係で管理できないので歴代のApple Watchは処分せずに1から3まで3台のApple Watchを交替で使用してきた。

今回のシリーズ4は本体と液晶画面が大きくなり、厚みが薄くなった。処理速度も速くなってほぼフルモデルチェンジとなり、より医療的な観点でもバージョンアップされ、いよいよ新しい時代のウェアラブルデバイスとして完成度が増してきた。そのシリーズ4だが発売と同時にステンレスのセルラータイプを購入したが1~3シリーズとは比べようが無いほどの画面の進化と見易さ、処理速度の速さゆえ、同時使用は早々に諦めることにした。

そこでApple Give Backを利用して1~3を全てリサイクルに回してそれで得たギフトカードを併用して同じシリーズ4のアルミタイプを2台目として購入した。自分でもかなりのApple Watch依存症だと思うがこれ無しでは生活が出来ないほどになった。Apple CEOのティム・クックは「私がこの腕時計に熱心に取り組むのはそれが人々の生活のクオリティと実際に生きる能力に重大な違いをもたらすからだよ」 と語っている。

LEICA Q

LEICA Q

変容する街

昨日、久しぶりに以前勤めていた会社を訪れた。何ヶ月ぶりかの豊洲。いつも品川方面から湾岸線経由で豊洲出口を利用しているのだが、しばらく来なかったうちにオリンピックの為の施設建設が進み、この近辺の街の姿が変容しつつある。出口付近の豊洲市場も稼動が決まり、今後、どのような姿になるのか?楽しみでもあり、この先はまともに近づけなくなるのでは?と一抹の不安もある。

21mmは現代では広角の標準レンズになったと思う。その昔、21mmは超広角としてのシンボル的な存在で多くの名作を残してきた。今や12mmや15mm、最広角は10mmなどというレンズが普通に使える。このくらいになると最早普通の被写体には映らない。デフォルメされた描写はそれはそれで表現方法としては分かるが目の前のシーンを見たままに近い画角で丸ごと納めると言う意味では21mmが一番適していると思う。

現代の広角レンズは選択肢が増えた分、使い手にはハードルが高くなっている。10mmや12mmなどはお気軽に使いこなせる画角ではない。と書くといかにもお年寄りの御託。今は好きな画角で細かいことを気にせずどんどん撮る時代なのかもしれない。

LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

潜む魔力

M10-Pのブラッククロームは思った以上に艶消し度が高く、Mモノロームに近い。その為、購入当初から手持ちのレンズは合わないがものが多いと思い込んでいた。このレンズもそのひとつ。だが、先日たまたまこのスタイルで使用してみて自分の思い違いだったことを少し反省した。このスタイルは古くからのM型ライカ伝統のスタイル。M3誕生後、ブライトフレーム枠に物理的な制限があった為に広角用外付けファインダーが作られた。そのおかげでこのレンジファンダー独特のスタイルが生まれた。

当時の外付けファインダーはライカの代名詞である工芸品のような逸品で現在のファインダーのクオリティとは比べるべくも無いが現製品はデジタル対応の21/28mmのダブルフレームでその点は便利だ。自分がM型ライカのスタイルで特に衝撃を受けたのがオールブラックのM4+Super-Anguron 21mm f3.4+12501+SBKOOの組み合わせ。SBKOOとは当時の外付け21mmファインダーの製品名。ガラスが枠一杯まで嵌め込まれ、今では作ること自体難しい外付けファインダーと専用フード12501のスタイルには痺れた記憶がある。

M10-Pにはビゾフレックス?と呼ばれる外付けのEVFがあるが昔のスタイルが刷り込まれているせいか自分には馴染めない。ゆえにいまだに外付けの21mmファインダーを使用している。M10になってLVモードの使い勝手がよくなり、シビアなピントや構図には即座にLVモードを使用すればわざわざ変なスタイルのEVFを使わなくても苦は無い。特に広角の場合はこの方法はなかなか良い方法だ。

ノンストラップのM10-Pにハンドグリップ+フィンガーグリップM+ビューファインダー12024の広角スナップスタイルは軽快で街中でも目立たない。M10-Pのシャッターフィールとボディサイズの回帰と相まってフィルムM型ライカ時代を髣髴とさせるフィーリングだ。EVF全盛のデジタル時代にクラシカルなスタイルだが自分の中にはいくつになっても旧来のM型ライカへの憧憬が根付いている。自分の中に潜んでいるライカの魔力だ。

RX100M6

RX100M6

RX100M6

RX100M6

LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.