服装=姿勢

今日、J-WAVEのリリコの番組でTVクルーの服装のことが話されていた。日本のTVクルーは往々にして場違いなスタイルでも平気で現場へ臨んでしまっている。せめてジャケットくらいは身に着けて欲しいと。撮影仕事での服装で常に心がけているのはブラックフォーマル風。厳密に言えばカジュアルスタイルなのだが必ずジャケットは着る。様々な現場での動きやすさも考慮してその下にはシンプルなシャツ、ジーンズ、レザースニーカーというスタイル。また、仕事柄ミラーやガラスなどの映り込みもある為、常に上から下までオールブラック。今まで15年以上このスタイルで現場に臨んでいる。

以前、とある映画のワールドプレミアが六本木ヒルズで行われた時、廻りの日本側のTVクルーや報道系カメラマンたちは場違いな派手なTシャツ、ヨレヨレのジーンズ、履き古したスニーカーというスタイル。反対に海外のカメラマンやクルーたちはブラックスーツにネクタイ、革靴というスタイル。見ていて恥ずかしくなった。これはプロ意識の問題だと思う。海外のカメラマンたちはどんな現場でもその場の空気を乱さないよう心がけているように見えた。

日本のTVクルーや報道系カメラマンたちは服装に関しては往々にして無頓着で身に着けているものの場違い感は目に余るときがある。彼らは取材に来てやっているかのような振る舞いも多く特権階級か何かと勘違いしているのか、忙しすぎてそのあたりの感覚が皆無なのか、どちらにしても相手に対するリスペクトやその場の空気など考えていない。六本木ヒルズの件はもう10年以上前のことだが、今日のリリコのコメントを聴いているといまだに変わっていないようだ。プロは服装=姿勢からも評価されていると思うのだがいつになったら日本のスタッフは変われるのだろうか?

LEICA Q

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TOKYO AUTO SALON 2018

恒例の東京オートサロンの撮影で先週の12日から昨日までの3日間、早朝から終日幕張メッセに缶詰状態だった。一応、オフィシャルプレスということで撮影に入っているが、同じようなパスを首から提げてオネーサンばかり追っかけているとてもプロには見えないカメラマンも多数居るので何がオフィシャルなのか?と毎年感じている。

ただ、盛り上がり方は車関係のイベントではあのモーターショーをも上回るほどの熱気でこの1月の厳寒の中、早朝から信じられないほど多くの来場者がしかも高額のチケット代を払って押しかける様は昨今の車離れ現象など微塵も感じられない。特に土日のピーク時は新宿駅のラッシュかはたまた渋谷のスクランブル交差点並みと言っても過言ではない。とにかくすれ違うのに肩から提げた機材の心配までするイベントは滅多に無い。

前のポストでも書いたが年明けからの体調不良は嘘のように回復してハードな3日間の仕事を何とか終えられたことにホッとしている。オートサロンに携わって11年になるが唸っていた先週には今回だけはさすがに代役を探さなければアウトかもしれないと思った。改めてフリーランスの危うさを感じた今年の仕事始めだった。

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

キヤノンとニコンの今後

先日の現場でカメラ好きのディレクターの方と休憩時に最近の仕事用機材の話になった。その時の自分の機材はEOS5Dsとα7R2とα7R3の3台、レンズはキヤノンEFレンズ3本、ソニーGレンズ2本の構成だった。その構成を見てディレクターの方がソニーの方がメインになったのですか?との問い。

実は先月のα7R3導入時にEOSのボディ2台とレンズ2本を手放した。まさしくソニーメインになりつつある。その上、α7R3のフィーリングがあまりにも良かったので2台目のR3もすでに手元にある。いずれR2は手放す予定。レンズもFE24-105mmのGレンズが素晴らしい描写性能でEF24-105mmタイプ2よりも確実に上回っている為に長年愛用してきたこのレンズも手放した。自分でもここまでソニーの比率が高くなるとは予想もしていなかった。

ニコンユーザーであるディレクターの方との会話は、いずれ一眼レフタイプのカメラは無くなるだろう、また、キヤノンとニコンは膨大な資産があるが故にフルサイズのミラーレス開発で遅れをとってもう手遅れの状態かもしれない。真剣にこの2社が今後どのようになってしまうのか心配だ。などなど、そんな内容でしばし盛り上がった。実際にプロカメラマンの間でのニコンやキヤノンからの買い増しや乗り換えが加速している印象は否めない。早ければ2020年の東京オリンピックの頃にはプロ用機材の勢力図は大きく変わっている可能性も十分考えられる。

それほどソニーのフルサイズミラーレスの性能は凄い世界に突入している。キヤノンもニコンもフルサイズのミラーレスを作る技術は当然持っていると思う。ただ、それでも今の2社では難しいのでないか?フルサイズミラーレスの開発は今まで綿々と作り上げた一眼レフの歴史に終止符を打つこと。つまりEOSやDシリーズが売れなくなることを意味する。そんな看板製品を否定するような開発はそうそう簡単には出来ない宿命をキヤノンとニコンは背負っている。企業の存続と技術革新とは残酷な面を持っていることを痛感する。

LEICA Q

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喜びを感じること

昨日までの変則出張?が無事終了した。体力的に少々不安な面もあったが今週の3件の撮影はどれも優れたデザインで素晴らしい空間、良い意味でのプレッシャーとワクワク感で充実した撮影ばかりだった。3件のうち2件は夜中の撮影でほぼ完徹状態、その上、広島と福岡へのトンボ帰り出張だったが意外なほどまだまだ大丈夫な体だった。昔取った杵柄といったところ。

何より、立ち会いのディレクターやデザイナーの方々との時間が充実していると疲労感などは感じないものだ。どの現場もプロジェクトが終わった安堵感と写真という記憶に残す楽しみや喜びとが共有できること。優秀な若いデザイナーたちの力作に触れられること。そして若い彼らとの何気ないコミュニケーションの中で自分が経験してきたことを少しでも伝えられる喜び。その瞬間のためにこの仕事をしていると感じる。

今週はスケジュール的なものと自分の健康状態とでどうなってしまうかと思っていたが良き仕事を通じて良き時間が持てた週だった。喜びを感じながらの撮影は心身ともに良い影響を与えてくれるものだ。

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.