ポリペクトミー

昨日までの3日間、胃のポリープを切除する為に埼玉医科大学国際医療センターに入院をしていた。正式には「ポリペクトミ-(内視鏡的粘膜切除術)」という仰々しい名前のついた手術。胃カメラの延長線上でさほど大袈裟なものではないと思っていたが、約1センチ大になった胃のポリープを切除するので鎮静薬を使い、ほぼ寝てしまう手術となり、さすがに日帰りという訳にもいかず、術前管理と術後の出血などを管理する為に3日間の入院となった。

今回、ポリープの切除を勧めてくれたのは行きつけの胃腸科クリニックのドクターで、毎年真面目に胃カメラの検査を受けていたおかげで徐々に大きくなった経緯を心配して出来るなら早めに切除した方が良いとのことで、そのドクターの後輩の准教授が居る埼玉医科大学国際医療センターを紹介して頂いた。これが行ってみると癌や心臓病などの高度医療専門の大病院!自分のような軽い症状で良いの?と気が引けるほどの施設!その為、少々居心地が悪かった。

手術前からおそらく良性でそこまで大きくないので心配はないと言われていてしっかりと切除できたので今は全く心配はしていないが、健康な人間がたった3日間でも点滴をして自由を奪われ、消灯時間を守ってベッドに居なければならないのはそれだけで病人になってしまう。やはり健康でやるべき仕事があるというのは本当にありがたいことだ。定期的な受診は転ばぬ先の杖。早めの診断は大切なことだということを改めて痛感した。

LEICA Q-P

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初体験?

今年の初めに相方殿と築地場外市場へ初めて行った。夫婦揃って東京生まれのはずだがなんと築地の場外市場は初体験!元々は大の寿司好きの相方殿に前々から絶対行ってみたい!と懇願されていた為、二人そろって初の築地へ。

市場が豊洲へ移って場外の店だけが残り、狭い路地に軒先がひしめき合っていてまさにカオス状態。たまたま仕事初めの日だった為、予想よりは混んではいなかったがそれでも前日に本マグロを1億9000万で競り落とした注目のすしざんまいは長蛇の列!

初の場外で前評判を色々と探ってはきたが、実際どれも美味しそうに見えるサンプルや写真は本当はどこが良いのかさっぱり?とりあえず、すしざんまいは外して念願の海鮮丼を二人で頬張った。やはりネタは良いのでなかなかの旨さ。それでも何度か通わなければ本当に旨いお店は分からないかな?

写真的にこの手の光景がお好きな方にはフォトジェニックな場所でここだけ大正~昭和?が残っていてなんとも懐かしい光景。だが、ここもいつまで残っているのだろう。

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シャボン玉との出会い

「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」との出会いは不思議な出会いだった。

1988年の音楽座旗揚げ公演の年、自分は多摩センターに建設中の「サンリオピューロランド」のプロジェクトにアートディレクターとして携わっていた。いくつかあった担当エリアの中でメルヘンシアターというアトラクション計画があり、ちょうど基本設計が済んで実施設計に入る前だったと記憶しているがサンリオの担当者から相談があった。

オープン後のメルヘンシアターで実際に演劇を依頼できる劇団を選定中でその中に発足間もない音楽座がリストアップされていた。その為、当時のプロジェクトリーダーと私に実際にその劇団の公演を観てきて欲しいとの打診があった。それが「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」だった。

それまでミュージカルなど全く縁がなかった自分はリーダーと共に初めて本多劇場へ足を運んだ。チケット窓口に行くと前売りのチケットはすでに売り切れていて当日券の補助席ならばあるとのこと。今振り返るとその時すでに公演の終わり際で評判が評判を呼び、チケットが入手しずらい状況だった。

仕方なく通路に設けられたパイプイスの補助席で居心地の悪さを感じながらも幕が上がった。最初は宇宙空間からの関西弁からの宝塚?と違和感を感じていたが始まってしばらくすると一人の少女があのメロディを歌いだした。その途端、全身にカミナリが落ちたような衝撃と心の奥底を揺さぶられる感動に出会ってしまった。それが「ドリーム」だった。

狭い本多劇場の通路前方3~4列目の距離でその歌声を浴びてしまった。その少女のどこまでも届く透き通った天使のような歌声は人生で初めて人の歌声で涙がこぼれた。その少女こそ若かりし頃の土居裕子さんだった。実は初演のストーリーはあまり記憶していない。土居裕子さんの歌声しか覚えていない。それほど衝撃的な出会いだった。

人生で初めて観たミュージカルがシャボン玉の初演という今振り返ればなんという幸運!その瞬間からミュージカルを愉しむ豊かな時間が持てる人生が始まった。自分の人生においてサンリオピューロランドから始まったテーマパークとの縁は無くてはならないがそのことによって音楽座と出会い、「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」に出会い、土居裕子さんという永遠のマドンナに出会えた。縁というものは不思議なものだ。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

32年の時を経て・・・

年明けから写真以外のことで長文なのは恐縮だが関心のある方だけお付き合い頂ければありがたい。

1月7日から銀座シアタークリエで上演が始まった「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」を先日相方殿と初観劇した。この作品は今から32年前の1988年、劇団音楽座の旗揚げ公演で本多劇場で産声を上げた日本製のオリジナルミュージカル。人間愛をベースに宇宙まで広がる壮大なストーリーと秀逸な音楽、そして主演の土居裕子さんの天使の歌声に打ちのめされてその日からミュージカルに夢中になった自分の人生において最も記念すべき宝物のような作品だ。

今回、音楽座のオリジナル作品を東宝が上演するというミュージカル界の常識と垣根を越えての公演となり、主役が井上芳雄と咲妃みゆ、脇を固めるのは福井晶一、濱田めぐみ、畠中洋、吉野圭吾、上原理生、内藤大希、仙名彩世などなど蒼々たるメンバーでそれに加えてなんと初演時に主演を演じたレジェンド土居裕子!までキャストに加わり、東宝、四季、宝塚、音楽座の各々の出身メンバーによる日本のミュージカル界における画期的な公演となった。

内容も音楽座のオリジナリティを残しつつ、令和のシャボン玉と言って良いほどのクオリティで良い意味で東宝らしい味付け。主役級が揃った俳優陣のさすがの演技力ととんでもない歌唱力で本当に素晴らしいミュージカルに仕上がっている。特に御年61歳!!になられる我が永遠のマドンナ・土居裕子さんの透き通った天使のような歌声は相変わらずで、その歌声を聞いただけで自然に涙が出てしまうほど。居合わせた観客、老若男女全てを魅了していた。

それにしても30年以上前に上演された音楽座の代表的な作品をこの2020年にまさか東宝が上演するとはおそらく多くのミュージカルファンは夢にも思わなかったウルトラ級の出来事。しかも俳優陣がそれぞれこの作品がきっかけでミュージカルの世界を目指した方々やこの世界にデビューした方々などシャボン玉に出ること自体を演じる側の方々が一番感動している。こんなことは聞いたことがない。

1988年の初演から見続けて、もう何十回観たか記憶がないほどこの作品を愛している自分としては初めて観る若い方々がどんな感想を持つのだろうか?ということが一番気になるところだった。言うなれば親心のような気分。ところが初日から感動と絶賛の嵐!32年前に自分が衝撃を受けた感動は令和の時代でも同じように受け入れられて同じように感動を呼んでいる。やはり本当に良いのものは普遍なのだとSNSに上がる声に毎日、嬉々としている。

今回の東宝の企画は日本のオリジナルミュージカルにおいて画期的なことで意味深い。今後、このシャボン玉をきっかけに新たな流れが生まれる予感がする。初演時には名も無き小さな劇団だった音楽座が後に日本のオリジナルミュージカルの最高傑作と呼ばれるシャボン玉を世に送り出し、オリジナルミュージカルの潮流を作ったように時を経て今度は東宝が同じくシャボン玉で新たなオリジナルミュージカルのトレンドを作ってほしい。

現在の音楽座は解散前の旧音楽座とは劇団運営の考え方が少々違っていて過去の名作をオリジナルのまま上演する機会が減ってきている。しかし、旧音楽座の作品群はシャボン玉に勝るとも劣らない作品ばかりで傑作オリジナルミュージカルの宝庫だ。今回の東宝の企画のようにどこが企画しようが今後これらの傑作たちが多くの方々の目に留まり、オリジナルミュージカルの世界へと誘うきっかけとなり、より多くの人たちが心の底から感動できるシーンをもっともっと作ってほしい。

今の音楽座には今後のミュージカル界に対して前向きに大きな心を持った英断を期待したい。今回のシャボン玉で東宝はもちろんこの作品を提供した音楽座の評価と関心がかなり上がっているのも事実だからだ。昔も今もこれからも永遠の音楽座ファンとしての切なる願いだ。

32年の時を経て・・・左 2020年東宝作品パンフレット。右 1988年音楽座初演パンフレット。

32年の時を経て・・・左 2020年東宝作品パンフレット。右 1988年音楽座初演パンフレット。