エール!

今週からNHKの朝の連続ドラマの新作「エール」が始まった。今作は1964年東京オリンピック開会式での入場行進曲「オリンピック・マーチ」の作曲者として有名な古関祐而の人生を描いた内容だ。

古関祐而はプロ野球・読売巨人軍の球団歌「闘魂こめて」や阪神タイガース球団歌「六甲おろし」高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」など他にもテーマ曲や応援歌、行進曲を数多く作曲し、戦前・戦中・戦後とその時代を反映した名曲も多く残している作曲家だ。

朝ドラ第一週の今週は古関祐而の少年時代の音楽との出会いや運動音痴でいじめに会っていたエピソード、父親の影響で初めて行進曲(エルガー作曲・威風堂々)に接するきっかけなども散りばめられていてこの先の展開が楽しみだ。

コロナ禍で今は日本中が不安感や閉塞感に包まれているが、この朝ドラで僅かでも明るい何かを感じるのは自分だけではないだろう。行進曲や応援歌は理屈抜きに心を躍らせてくれる。

今は暗闇の中に居て光が見いだせない状況だが「エール」というタイトルはとてもタイムリーだ。昨年5月の青空。こんな青空を穏やかな気持ちで眺める日が来ることを願うのみだ。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6 @Yokohama20190504

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6 @Yokohama20190504

常にテレワーク

2月から続く新型コロナの影響の中、自分の場合は以前から自宅作業が中心で撮影以外で出かけること自体も少ないので言わば常にテレワーク状態。世のお勤め人たちのテレワークはこれからの働き方を変えることになるかもしれないと興味深く見ている。

3月はありがたいことに撮影の仕事は減らず、出張などは逆に増えたほどでガラガラの新幹線を何度も利用させて頂いた。さすがに4月や5月は自宅に居る時間はこれまで以上に増えそうだが自宅で過ごすことに自分も相方殿も慣れていて普通の生活リズムで過ごせることはありがたい。

オリンピックも延期が決まり、今後は自分の仕事への影響も徐々に出てくることも予想されるが仕事が約束されていない不安定さは常に付きまとってきたピンのフリーなので出来るだけ焦らず慌てず自然体で心落ち着かせるようにしている。

そんな中、3月最後の日曜日は雪になった。この時期の降雪は珍しいことではないがコロナ危機の中の雪景色は心持ちのせいか趣が違って見える。降っていた時間は短かったがこの冬一番の雪の量だったかもしれない。

ところでビゾフレックスは相変わらずの格好悪さだが唯一タンバールにだけは似合っている気がする。もともとピント合わせ自体手強いレンズだがこれがあればかなり助かるのは事実だ。

LEICA M10-P / Thambar 90mm f2.2 / Visoflex Typ 020

LEICA M10-P / Thambar 90mm f2.2 / Visoflex Typ 020

ときどきビゾフレックス

自宅から数分の荒川と入間川の河川敷は毎年この時期はあたり一面イエローに染まる。世の中が沈み込んでいる空気感の中、目に飛び込んでくる鮮やかなイエローに惹かれて久しぶりにヘクトールを持って散策に。

M型ライカ最大のウイークポイントはこのような被写体のピント合わせだ。どこに合わせているか全く分からなくなる。こういうときはライカ純正の外付けEVFの出番。正式名はビゾフレックス。昔からライカを使っているユーザーはなぜビゾフレックスと呼ぶのか分かると思うがそのあたりは省略。

このビゾフレックス、デザインが格好悪い、プラスチッキーで安っぽい、タイムラグがあり過ぎ、価格が高過ぎ、と悪いところだらけ。だがこういうときだけはありがたい。アングルファインダー機能も付いているのでM型ライカではあり得ないローアングル撮影も可能だ。

ときどきビゾフレックスな存在だが、ヘクトールやタンバールなどの長玉系にはやはり便利で時間に余裕のある撮影スタイルの時には重宝する。エンスーなライカ使いならばビゾフレックスというネーミングだけで文句を言ってはいけないが、とにもかくにもデザインが悪い。そこだけでも何とかして欲しいものだ。

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LEICA M10-P / Hektor 73mm f1.9 / Visoflex Typ 020

LEICA M10-P / Hektor 73mm f1.9 / Visoflex Typ 020

心象光景

新型コロナウィルスの影響で各企業も出社や出張が控えられている。そんな中、一昨日と昨日は2週間前、天候不順で撮影できなかったカットの再撮影で再び岡山へ。予想はしていたが東京駅ものぞみもガラガラ状態。まるで3.11のデジャブ。

あの時もちょうど震災直後に大阪出張があってのぞみからの車窓は気持ちが沈みがちで快晴でもなぜか物悲しかったことを記憶している。心象風景とはよく言ったもので見るもの全てその時の自分の心境を反映しているものだ。東京駅ものぞみから見える車窓の光景もあの時と同じだ。

以前にも書いたが自分の出張は現場、ホテル、駅、新幹線でほぼ終わる。だが目にするものは同じでも2週間前とは違い、今の心境のフィルターがかかって見えてきてしまう。人や物の動きが少ないこともあって何を見ても寂しげに感じる。

ライカは心象風景を捉えることに長けている。手にしたレンズの焦点距離でモノを見ようという意識が自然に働き、ファインダーでは実際の光景を目にするからだ。帰宅後に見たモノは今この時期の記憶として残しておきたい心象光景だった。

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LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.