ライカの魅力

昨夜はライカ繋がりの旧知の友人たちと美味しいイタリアンのお店で久しぶりに楽しい時間が持てた。ライカ好きが集まると話が尽きない。ライカは人を繋ぐ魅力がある。自分のライカや他人様のライカの話でエンドレスだ。他のカメラではこういうことはあまりない。単なるブランド力とは違う何かが人を繋げ、広げる。不思議な世界だ。

最近の若者のライカに対する印象も面白い。デジカメウォッチの若い編集者、確かM(Type240)からのユーザーのようだが今はM10を所有していてそれを評して「古いフィルムカメラっぽいけど背面を見たらデジタルカメラというユーモアは随一」と。おそらくM型以外のラインアップ、SLやTが現代風デザインを踏襲している上に過去のM型体験が少ない若者にとっては現代のM型デジタルはクラシックなものに写るのかもしれない。

我々旧いライカ人類から見たライカとは今も昔もM型ライカのことだ。中身がフィルムからデジタルに変わってもシンプルで普遍的なカメラ。古今東西のL・Mマウントレンズも変わらない。特にクラシックカメラという概念はあまりない。そんなライカはこれからも人を繋ぐ魅力に変わりはないだろう。ライカに出会っていなければ出会わなかった方々ばかり。そして出会わなかったシーンばかり。ライカは素敵な出会いを呼ぶカメラだ。

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

LEICA M-P / Thambar 90mm f2.2

冬の空に想う

冬の空が好きだ。空気が澄んでいてどこまでもクリアな空気感が気持ち良い。ついついカメラを向けてしまう。この時期、太平洋側と日本海側では正反対の空模様。日本海側にも写真家の友人が居るが気候の差はその友人の作風にまで影響している気がする。

かつてカールツァイスレンズはヨーロッパの空気感を描写することを基準にして設計されているとツァィス関係の書籍に記述されていたことを記憶している。日本に比べてヨーロッパは緯度が高い。一般的には太陽が日本よりも低い位置を通る。その影響はレンズ設計や写真家の作風にも影響すると言えるかもしれない。

地球上でも日本国内でも住んでいる場所によって写真が変わる。住んでいる場所で感性が磨かれる、それは頷けるところがある。

LEICA Q

LEICA Q

灯台めぐり

今年の1月にふと思い立って犬吠埼灯台を訪れた。
30年ほど前に国内の灯台、それも明治時代に建てられた歴史的意義のある灯台を追って日本中を駆け回った時期があった。それらはすべてリバーサルフィルムで残っている。いずれこのサイトでまとめて発表したいと考えているが遅々として進まない。フイルムからすべてスキャンしてデジタルデータに変換しなければならないのだがそのハードルが意外と高い。

当時はまだ会社勤めのアマチュアで機材も今ほど充実していたわけではなく、そんな中でも休日を中心に朝な夕なにリバーサルをたくさん抱えて駆け回っていた。あの頃の情熱は懐かしくもあり、どこからそんなエネルギーが沸いていたのか今思うと不思議なくらいだ。ただ、相変わらず灯台は気になる存在で今のデジタル機材で改めて撮り直したいとも思うがなかなか間々ならない。

その頃の夢はカナダ・プリンスエドワード島の赤と白の美しい灯台たちに会いにゆくことだったが、当時は船で渡らなければならなかった島も立派な橋が架かり、今では有名な観光地となって賑わっている。自分の夢もそろそろ実現しなければこちらの時間がなくなる年齢になってきた。寒い1月に久しぶりに訪れた犬吠埼灯台は昔と変わらない勇姿で迎えてくれた。もしかしたら呼ばれたのかもしれない。

ちなみにこの犬吠埼灯台に隣接する展示資料室の建設計画にも関わっていて2階のギャラリーには当時、私が提供した作品が色褪せずにまだ展示されていたのには驚いた。

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

LEICA M-P / SUPER-ELMAR-M 21mm f3.4 ASPH.

キヤノンとニコンの今後

先日の現場でカメラ好きのディレクターの方と休憩時に最近の仕事用機材の話になった。その時の自分の機材はEOS5Dsとα7R2とα7R3の3台、レンズはキヤノンEFレンズ3本、ソニーGレンズ2本の構成だった。その構成を見てディレクターの方がソニーの方がメインになったのですか?との問い。

実は先月のα7R3導入時にEOSのボディ2台とレンズ2本を手放した。まさしくソニーメインになりつつある。その上、α7R3のフィーリングがあまりにも良かったので2台目のR3もすでに手元にある。いずれR2は手放す予定。レンズもFE24-105mmのGレンズが素晴らしい描写性能でEF24-105mmタイプ2よりも確実に上回っている為に長年愛用してきたこのレンズも手放した。自分でもここまでソニーの比率が高くなるとは予想もしていなかった。

ニコンユーザーであるディレクターの方との会話は、いずれ一眼レフタイプのカメラは無くなるだろう、また、キヤノンとニコンは膨大な資産があるが故にフルサイズのミラーレス開発で遅れをとってもう手遅れの状態かもしれない。真剣にこの2社が今後どのようになってしまうのか心配だ。などなど、そんな内容でしばし盛り上がった。実際にプロカメラマンの間でのニコンやキヤノンからの買い増しや乗り換えが加速している印象は否めない。早ければ2020年の東京オリンピックの頃にはプロ用機材の勢力図は大きく変わっている可能性も十分考えられる。

それほどソニーのフルサイズミラーレスの性能は凄い世界に突入している。キヤノンもニコンもフルサイズのミラーレスを作る技術は当然持っていると思う。ただ、それでも今の2社では難しいのでないか?フルサイズミラーレスの開発は今まで綿々と作り上げた一眼レフの歴史に終止符を打つこと。つまりEOSやDシリーズが売れなくなることを意味する。そんな看板製品を否定するような開発はそうそう簡単には出来ない宿命をキヤノンとニコンは背負っている。企業の存続と技術革新とは残酷な面を持っていることを痛感する。

LEICA Q

LEICA Q