ドイツから帰還

3月末にドイツ送りだった愛しの?ズミルックスが昨日帰還した。修理に至った経緯は以前のエントリーで書いたが本当に丸々3ヶ月かかった。当初、トラブルの内容が納得いかなかった為、なぜこのような現象になり、どのような修理をするのか?何度もライカジャパンを通じてドイツ本社に確認をお願いしたが、結局、これと言った理由は説明されなかった。

ただ、昨日、修理から上がってきた我がズミルックスを持参したM10-Pに装着してフォーカスリングと絞りリングを操作した瞬間、なぜ修理が必要だったか?すぐに理解できた。その後、サービスのスタッフから分解調整とグリスアップをした旨、伝えられ、さらに納得した。費用は30,000円弱で本国へ送ったわりには安かった。どうも安すぎる気もしないではないがちょっと引っかかる点でもある。

我がズミルックスは新品当初からフォーカスリングと絞りリングがかなり軽く、スカスカまでは行かないがこれが正しい状態なのか?少々疑問に感じていた。他の新品のライカレンズも軽い傾向にあると感じていたのでそのまま使用していたが、実はグリス抜けの症状があったらしい。それでフォーカスリングにガタが出たらしい。それならば納得。治ってきたズミルックスのフォーカスリングと絞りリングのフィーリングはしっとりとして最高のフィーリング。やるじゃないか!ドイツ本社。

ただ、そのまま使用し続けたらガタだけでは済まなかったと思うと冷や汗ものだ。購入してから4年弱でグリス抜け?というのも複雑だがリミテッドバージョン固有の症状だとしたらまた4年後にはグリスアップが必要になるのか?一生モノのレンズなので付き合っていくしかないのだが今回のような分解調整とグリスアップならばせめて国内で短期間で対応できるようにしてもらいたいものだ。

帰宅直後、あまりにも美しい夕焼けだったので一枚。ドイツ帰りのズミルックス、開放描写のピント精度も写りも素晴らしい。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

THIS IS F1

昨日のF1オーストリアGPは最高のレースだった!DAZNのライブ配信での観戦だったが最近では一番面白くエキサイティングなF1だった。しかもレッドブル・ホンダがホンダとしては13年ぶりの勝利でその内容が他車のリタイヤとかのタナボタではなくまさしく自力で勝ち取ったことに価値があり、久しぶりにF1で感動した。

今年のF1はメルセデス一強状態でレース自体もバトルするわけでもなく2台のメルセデスが淡々とワンツーフィニッシュするレースばかりで本当に詰まらなかった。が、昨夜はこれこそF1と言えるバトルの連続。純粋にマシン同士、ドライバー同士の戦いがあり、チーム戦略の優劣、タイヤ交換の運・不運など観ていてドキドキしっ放し、ラスト10週は息をするのも忘れるほどのレースだった。

何より優勝したドライバーのマックス・フェルスタッペンがポディウムで真っ先に胸のホンダのエンブレムを指差してくれた瞬間、思わず感極まってしまった。この瞬間、彼は世界中のホンダファンや関係者の心を鷲摑みにした。まだ21歳だがドライバーとしての才能も人間性も素晴らしい若者だ。ここからはかつての強かったホンダパワーが炸裂してくれることを期待したい。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

6月23日という日

本日は沖縄慰霊の日。今から74年前のこの日、沖縄では太平洋戦争時の沖縄戦で組織的な戦闘が終わった日とされている。以前のエントリーでも書いたが太平洋戦争時の沖縄については日本人として必ず知っておかなければならないことがある。しかし、8月15日の終戦記念日に比べ、この日の意味を知っている日本人は非常に少ない。

特に本土に暮らす人々は相変わらず他人事で74年経った今でも昔と変わらず、沖縄に過酷な歴史と負の遺産を追わせ続けている。いったい誰の責任なのか?政治家はもちろんだが歴史をきちんと伝えてこなかった教育者、マスコミ、などなど沖縄に暮らす以外の全日本人の責任だ。

バカンスのついででも良いので一度は沖縄を訪れ、その悲惨な歴史を知るべきだ。そしてぜひ「平和の礎」を訪れて欲しい。そこには全ての戦争犠牲者を慰霊するこれこそが日本が本来持つべき平和を祈る施設としての理想とする姿がある。8月15日と同じように6月23日も全ての国民が沖縄に対して哀悼の意を表す日が来ることを切に願う。

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M10-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

M8について

M8がいまだに一部のファンの間で人気があるようだ。M9-Pが人気なのは理解できるがM8については正直理解に苦しむ。ある高名な写真家の方がM8を高く評価されて愛用されていることが多大に影響していると思われる。モノクロ作品が中心の方なのでM8のモノクロ画質を評価することは理解できるがシャッターフィーリングに至ってはM型デジタルの中でも一番良いと評価されている。個人的嗜好が多分に影響するので何とも言えないがこの点は自分とは意見が分かれる。

レンジファインダーデジタルカメラはEPSON RD-1が先鞭を付けてその後、ライカが満を持してM8を発表した。自分は発売日にブラックとシルバーの2台のM8を手にした。当時はライカを仕事で使用するケースも少なくなかったのでやはり2台所有がマストだった。さて、自分のM8の評価だが結論から言えば言葉は悪いが欠陥カメラだったと言わざるを得ない。

これは有名な話だがM8は赤外線カットフィルタの設計に失敗し、UV/IRフィルタを使用しなければ一部の色が正しく再現されないという致命的な欠陥を持って生まれた。メインスイッチ周りや背面のロータリースイッチなどにも電気的なトラブルが頻繁にあった。自分も実際に何度も経験した。ライカとしては初のレンジファインダーデジタルカメラゆえにまだ設計・生産技術が未熟な印象は否めなかった。

発売当初、この問題に対してライカはUV/IRフィルタをボディ1台につき2枚まで無償で提供されるサービスを行った。これにはにはさすがに呆れたと同時に問題を認めたライカに驚いた。さらにこのフィルタのデリバリに半年以上かかったこともライカらしかった。今となっては懐かしい思い出だがユーザーはみな真面目にUV/IRフィルタを待って新たに設けられた6bitコードに苦慮しながら撮影をしていた。

シャッターフィーリングもお世辞にも良いとは言えなかった。それまでのM型ライカのシャッターフィーリングに慣れていたファンには耐え難い音色でその写真家の方が高く評価することがちょっと理解できない。M9以降のM型デジタルと比べても決して良い音色とは思えないし、個人的にはやはりM10-Pの音色がM型ライカ伝統のシャッター音と感じる。

それでもライカ初のM型デジタルカメラとして熱烈に愛用したことも事実だ。もうかれこれ13年前のことになる。今でもM8の中古が結構な値段で取引されている事実は驚きだが、これはあくまでM9、M、M10と進化・成熟した現在のラインナップの中での評価であり、キワモノ的な評価だ。発売当時に手にし、ある意味高額のお布施?を納めたかつてのM8ユーザーたちは現在の一部のマニアが絶賛する評価を素直に受け入れることはできないだろう。

LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.

LEICA M9-P / SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.