写真集を超えた写真集

金沢の高橋俊充氏の写真集「SNAPS MOROCCO」が送られてきた。クラウドファンディングを利用した試みで高橋氏らしい斬新なプロジェクト「ドキュメンタリー写真家・高橋俊充が捉えたモロッコ。写真集とウォールアートプロジェクト。」で期待感が溢れていた。結論から言うと今回も期待を超える写真集だった。

氏の過去の写真集「Sicilia snaps 2013」「SNAPS ITALIA」で写真のレベルはもちろんそのデザインと印刷レベルに驚愕し、すっかりファンになってしまった。氏の写真集はフォトグラファーとグラフィックデザイナーとしての才能がズルいぐらい高い次元で表現されて非常にクオリティの高い写真集を生み出している。

今回の「SNAPS MOROCCO」だが届いた表紙違い!の2冊の写真集を一見して改めてその考えを新たにした。これは高橋俊充というフォトグラファーの優れた作品を高橋俊充というグラフィックデザイナーが完璧にデザインし、高橋俊充というアートディレクターが斬新なアイデアと細やかなセンスでクオリティ管理をするという並みのフォトグラファーでは太刀打ちできない写真集になっている。

氏独特の色使いやクオリティはもちろん、装丁や各ページを自らの手でデザインし、手に取った人が新たなスタイルを感じられるように考えられた写真集はお目にかかったことがない。単なる写真集を超えた写真集になっている。今回は先行してクラウドファンディングでの出版で他にグッズ等の企画・販売もあってマルチな才能を持った氏ならではのユニークなプロジェクトとなった。

興味のある方はぜひ手に取って氏のマルチな才能ぶりを目にして頂きたい。クラウドファンディングは終了したが2/13から一般発売もされているとのこと。

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ライカ近況雑感

ライカからまた復刻版がリリースされる。THAMBAR、SUMMARONに続く第三弾だ。今回はライカレンズの中でもレア度は1・2を争うNOCTILUX-M 50mm f1.2 ASPH.!オリジナルは1966年発売の初代非球面f1.2で生産本数は2000本にも満たない為に現在ではとんでもなく高価になってしまっている。ちなみに個人的には同じノクチでも第二世代のf1.0のE58タイプがノクチファミリーの中で一番魅惑的な写りをすると感じている。

今回の復刻版は通常モデルのブラックと世界限定100本!のシルバーでシルバーは普通のユーザーでは手が届かないレアモデルになりそうだ。ライカレンズの珍しいモデルの場合、まずはライカジャパンの優良顧客に声がかかって優先的にデリバリーされることが多々ある。日本に入ってくるのはおそらく10本か多くても20本程度かもしれないのでかなりのレア玉になりそうだ。価格は約200万!でこれも市場ではリリース直後から手が届かないほど高騰するのだろう。

限定モデルは「SUMMARON-M 28mm f5.6」「SUMMICRON-M 35mm f2.0 ASPH.」「SUMMILUX-M 50mm f1.4 ASPH.」のいずれも世界限定500本のブラッククロームモデルを所有している。以前よりブラッククロームとレッドスケールに目が無かったので迷わず購入したものだ。その中では「SUMMARON-M 28mmf5.6」が復刻版にあたる。今回の復刻版はブラックの国内価格が約100万!となりそうなのでさすがにおいそれとは手は出ないがブラッククロームモデルが出たら血迷ってしまうかもしれない。

それからつい先日、M10系のファームアップで不可思議な機能が追加された。その名は「ライカ・パースペクティブ・コントロール」と呼ばれるものでライカ曰く、カメラの傾きを検知してコンピュテーショナルイメージング処理を行い、建築写真などに現れるパースの歪みを自動補正するという機能。だそうだ。自分のお仕事的にはドストライクな機能なのだがM型ライカで使う気にはなれない。

自分は普段は仕事でEOS-5DsとTS-E17mm f4LやTS-E 24mm f3.5Lのいわゆるシフトレンズで光学的に歪みを補正して撮影している。実はデジタル的に補正を入れると画質に影響を及ぼすこともある。ゆえにデジタル補正は使用しないことにしている。今回のファームアップ、そういう要望があったのだろうか?M型ライカで何を想定しているのか理解に苦しむ。

百歩譲ってSL系ならばまだ良しと思えるのだが・・・コロナ禍で国内メーカーが苦しんでいる中、超高額な復刻版の発売や理解不能なファームアップなどライカは我が道を往くかの如くで相変わらずユニークなメーカーだ。

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

LEICA M10-P / SUMMARON-M 28mm f5.6

不確かな明日

昨年の12月10日、親友であり、フリーランス仲間であり、会社員時代の後輩でもあった無二の友人が急逝した。59歳だった。原因はくも膜下とのことだが元々動脈瘤があってそれが一気に出血して直前まで何の前触れもない中、逝ってしまった。仕事のことや趣味のことなど色々なことで波長が合っていつも夜な夜な長電話してしまう仲だった。

ここ数年は映像制作で類稀な才能を持った息子君の話ばかりで子供の居ない自分にとって息子君の活躍を友人を通して聞くことが楽しみで仕方がなかった。亡くなる2週間ほど前に友人と息子君と3人で会った就職内定祝いの食事会が最後に見た友人の姿となってしまった。連絡先に残っている彼の携帯番号に電話をかけたら変わらぬ声で出てくれそうで今でも亡くなったことが信じられない。

実はその食事会で自分が撮った短いムービーが彼と息子君の最初で最後のツーショットムービーになってしまった。少々照れが残る父と息子の他愛もない会話が残されていて食事会の夜にすぐに友人に送っておいたムービーだった。友人の死後、息子君が友人のPC内でたまたま発見したムービーを見て、「宝物」です。とメッセージをくれた。これから映像のプロとなる息子君にとって辛いムービーになってしまったが撮っておいて良かったと思う。

写真を生業にしている定めなのか自分の義父や義母、そして数年前の母親の遺影も自分が撮ったものだった。つくづく思うのはその時々で何気ない写真でも自分のカメラできちんと撮っておくことの意味。お気軽なスマホではなく相手も自分もそれなりに構えざるを得ない写真は違う空気を持っていると感じる。

このブログを訪れて頂いている方々の多くはカメラを趣味にされていると思う。ご自分の周りの大切な人たちをご自分のカメラできちんと残しておくことをお勧めしたい。人生において確かな明日は無いのだから。自分も相方殿をしばらくきちんと撮っていない・・・自戒も込めて。

愛煙家だった友人。お互い酒を飲まないのでよく訪れたステーキレストランにて@2012

愛煙家だった友人。お互い酒を飲まないのでよく訪れたステーキレストランにて@2012

今年を振り返って

今年はブログの更新も今まで以上に滞り気味でコロナ禍で仕事量が極端に減ったことがブログに向かう気持ちにも影響したようだ。機材に関しても今までなら仕事の量に関わらず、自分のクオリティアップの可能性があれば積極的に新しい機材を導入してきたがその気力も湧かなかった。そういう意味では今年は例外的な年だった。

だが11月・12月には大きな仕事に関わることもあってかそんな虫がジワジワと復活した。ここにきてスマートフォンとタブレットを一気にバージョンアップした。スマートフォンをiPhone 7 PlusからiPhone 12 Pro Maxへ、タブレットはiPad Air 3からiPad Pro 12.9インチへ。

デジタルガジェットの進化はやはり予想以上でやれることや思考の幅が広がった。さらにマインドまでアップしてくれた。カメラ関係では最後の最後に驚きのレンズに出会ってしまった。SIGMAのIシリーズでSONY Eマウントの35mm F2 DG DN、65mm F2 DG DNだ。

今どきレンズ鏡胴、レンズフード、レンズキャップに至るまでオールスチール製でそのフィーリングもライカに勝るとも劣らないレンズをライカもビックリの低価格でリリースするなど、ここ数年のSIGMAの製品と企業姿勢は目を見張るものがある。

今までなら新しいレンズを手にしたら当たり前のようにスチールの評価が常だったが、今は比率が変わってしまった。ムービー:スチールが7:3でムービーの写りの方が気になるようになったのも今年の変化。時代も自分も変わったものだ。来年はまずはコロナ禍が一日も早く終息することを願いたい。

今年も更新の少ない拙ブログにお付き合い頂き感謝しております。

iPhone 12 Pro Max

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